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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第11話:作戦準備
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の作戦において最大の問題は、敵戦力が不明であることと、
 身柄を確保すべきエメロードが廃工場のどこに居るかです」

「そうだな。 まあ、エメロードが廃工場に居るかどうかも判っていないが」

「ええ、そうですね。 なので、それを事前に把握する必要があると思うんですよ」

「それには完全に同意するが、問題は方法だろう。 どうやってその情報を得る?」

「ハッキングです」

ゲオルグが短く答えると、ミュンツァーはその意味が理解できずに顔をしかめる。

「どういうことだ? 判るように説明しろ」

苛立たしげに言うミュンツァーに向かって小さく頷いてから、ゲオルグは
前日にルッツから受けた提案をミュンツァーに話し始める。
5分ほどかけて説明し終えると、ミュンツァーは俯き加減で考え始める。

「ヒルベルト」

顔をあげたミュンツァーに呼ばれ、少しだらけた格好で座っていたヒルベルトは
慌てて椅子に座りなおし背筋を伸ばす。

「なんでしょう?」

「お前は事前にこの案を聞いてたのか?」

「ええ、まあ」

こともなげにヒルベルトが答えると、ミュンツァーはその眉を吊り上げ
テーブルを拳で叩く。

「適法性について考えたのか!? お前らに法の守護者としての
 矜持はないのか、ええ!?」

ミュンツァーが2人を睨みつけながら声を張り上げると、
ゲオルグはその肩ビクッと震わせる。

「無許可でやれば違法でしょうね。 ですが、十分に情報管理に留意することと
 目的に合理性があれば許可されるはずですが」

ミュンツァーの怒りを露わにした言葉に恐れをなすゲオルグとは対照的に
冷静な口調で答えるヒルベルトをミュンツァーはキッと睨む。

「・・・確かに。 だが、そう簡単に認可が得られると思うのか?」

「恐らく。 管理局員の命がかかってますからね」

押し殺した低い声で問うミュンツァーに対して、あくまでクールに返すヒルベルトを
ゲオルグはビクビクしながら見ていた。
部屋の中が重たい沈黙に包まれ、しばらくあってミュンツァーは急に表情を
和らげると大きく息を吐いた。

「ま、お前の言うとおりだろうな。 本局へのお伺いは俺の方から立てておく。
 で・・・シュミット」
 
「は、はい!」

キョロキョロと2人のやり取りを半ば怯えながら見ていたゲオルグは、
急に自分に話を振られて、ひっくり返った声で返事をした。

「この案、誰が考えたもんだ?」

「どういうことですか?」

「監視カメラにハッキングを掛けるなんて発想は、士官学校出のお坊ちゃんから
 出てくるような発想じゃない。 もう一度聞くぞ、誰の考えだ?」

「ルッツ曹長です」

ゲオルグが答えると、ミュンツァ
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