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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第11話:作戦準備
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頷くと、再び廃工場の図面に目線を戻す。

「分隊長はこれがなんだかわかりますか?」

ルッツはウィンドウの中の図面のある一点を指差す。

「どれですか?」

ゲオルグはルッツの言う"これ"がどれを指すのかが判らず、
ウィンドウを覗きこみながら首を傾げた。

「ほら、ここですよ」

ゲオルグはさらにウィンドウに顔を近づけ、ルッツの指の先にあるものを
じっと見つめる。

「なんですか、この記号」

ルッツの指が指し示す先にゲオルグは見つけたのは、2重の円に囲まれた
二つの長方形だった。
ゲオルグは記号が何を表すのか判らず、ルッツの方に目を向ける。

「これは監視カメラを表す記号です」

ルッツの言葉にゲオルグは目を瞬かせる。

「監視・・・カメラ?」

首をこくんと傾けて尋ねるゲオルグの言葉に、ルッツは大きく頷く。

「そうです。 そしてこの廃工場がネットワークに接続されていれば、
 ホストコンピュータをハッキングすることで、その映像をリアルタイムで
 見ることができます」

「ということは、それで中の様子をこっそり探れる・・・というわけですか?」

自分の質問に対してルッツが黙って頷くと、ゲオルグの顔にはパアっと
笑顔が開く。

「すごいじゃないですか! これで偵察問題は解決ですね」

「喜ぶのは早いですよ。 ネットワークが生きているか。
 ホストコンピュータが稼働しているか。ハッキング対策を破れるか。
 確認しなければならないことは多いですから」

「とはいえ可能性は見えました。 ミュンツァー隊長や艦長に提案するには
 十分ですよ」

ゲオルグはウィンドウを閉じて立ち上がる。

「ところで、ルッツ曹長はどこでそんな知識を得たんですか?」

「前に居た部隊で少し」

ルッツは苦笑して頭をかきながらゲオルグに答えを返した。





翌日。
シャングリラの会議室にはミュンツァーとゲオルグ、ヒルベルトの3人が
集まっていた。

「それで、いい作戦案は思いついたか?」

腕組みをしたミュンツァーが対面に隣り合って座ったゲオルグとヒルベルトを
交互に見ながら尋ねると、ヒルベルトがニヤリと笑う。

「ありますよ。 ま、厳密には作戦案じゃなくそれを作るための下準備案
 って感じですけどね。 なぁ」
 
ヒルベルトは不敵な口調で言うと、隣に座るゲオルグの肩を叩く。
ミュンツァーの目線がヒルベルトからゲオルグに移る。

「勿体付けずに早く話せ、シュミット」

「勿体付けてるのは僕ではないんですけどね・・・」

苦笑して答えたゲオルグは、真剣な表情をその顔に浮かべると
ミュンツァーの顔を真っ直ぐに見つめる。

「今回
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