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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第11話:作戦準備
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わるよりもみんなとの絆を
 大事にしたいんです」

ゲオルグは話を終えると、ルッツに向かってニコッと笑いかける。
ルッツはその笑顔を見下ろしながら、大きくひとつため息をついた。

「判りました。 そこまでお考えなら自分もくどくど言いません。
 が、けじめをつけるべきところはつけてくださいよ」

「ええ、判ってます」

ゲオルグは神妙な顔で頷いた。
ルッツは一瞬口元にわずかに笑みを浮かべると、表情を引き締める。

「で、本題に戻りませんか?」

「そうですね」

ゲオルグは真剣な表情を作ってルッツに座るように合図する。
ルッツは近くにあった椅子をひとつ引き寄せるとゲオルグの隣に座った。
ゲオルグの前にあるウィンドウに映る、廃工場の図面を覗き込むと、
ルッツはゲオルグに声をかける。

「これはなんですか? 図面・・・というのは判りますが」

「詳しいことは言えませんが、今度の作戦フィールドです。
 ある犯罪者がこの廃工場に逃げ込んでいて、我々の任務はその犯罪者の身柄を
 確保することにあります」

「なるほど。 それで敵戦力は?」

「不明です。 一応最悪のケースは想定してますがね」

「というと?」

「前に研究所で救出作戦をやったことがありましたよね。
 あそこで出くわした巨大生物がわんさか」

ゲオルグが吐き捨てるように言った言葉に、ルッツは眉間にしわを寄せる。

「・・・死人が出ますよ、それは」

「ですよね・・・。まあ、実際にそうなったら撤退しかないでしょうね」

苦笑しながら話すゲオルグにつられるようにルッツも苦笑する。

「確かに。 ですが・・・」

そこで一旦言葉を切ると、ルッツは真剣な表情をつくる。

「身柄を確保すべき犯罪者がこの中のどこにいるかも把握できていないのですよね。
 さすがに突入するには情報不足では?」

ルッツがゲオルグの顔を見ながら尋ねると、ゲオルグは腕組みして俯く。

「そうなんですけど、じゃあその情報をどう得るかという問題も出てきますね。
 今回の作戦は奇襲性が重要でしょうし、強行偵察では意味をなしません。
 偵察衛星は屋内に対しては無力、航空偵察も同様です。
 果たして有効な偵察手法なんてあるものでしょうか?」

「この建物はネットワークに接続されていないのですか?」

ルッツが図面を覗き込みながら尋ねると、ゲオルグはルッツの横顔を見ながら
ポカンと口を開けていた。
ルッツはそれに気づき、ゲオルグの方に向き直る。

「どうしました、分隊長?」

「いえ、なんでルッツ曹長がネットワークのことを気にしたのかが判らなくて」

「ああ、そういうことですか」

ルッツは納得したように何度か
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