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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第11話:作戦準備
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ヒルベルトは渋い顔をする。
だが、結局2人は頷いた。

「では頼む」

2人が出て行き、再び部屋に1人となったミュンツァーは
大きくため息をついて呟いた。

「悪いな、2人とも・・・」

小さく呟いたミュンツァーは、もう一度大きくため息をついた。





ミュンツァーの部屋を出たゲオルグとヒルベルトの2人は
押し黙ったまま待機室のある方向に向かって歩いていた。

「まいったね、これは」

待機室が近づいてきたところで、ヒルベルトがゲオルグに声をかける。

「ええ、まいりました。 どうすればいいんでしょうね」

ゲオルグはそう言って肩をすくめる。

「まあ、とりあえずは常識的な線で制圧作戦の計画を考えるしかないだろ」

「そうなんですけど、敵戦力の見積もりはどうします?」

「考えられる最大で見積もっておくさ」

「そうですね・・・それしかないですよね・・・」

ゲオルグは呟くようにそう言うと、肩を落とした。
再び押し黙った2人がそれぞれの分隊の待機室が向かい合うところにたどり着く。

「じゃあ、とりあえずはそれぞれで情報を確認して後で作戦案をすり合わせるか?」

「そうですね。 準備ができたら連絡をください」

「わかった。 じゃあな」

ゲオルグとヒルベルトは軽く手を挙げて別れる。
ゲオルグがB分隊の待機室に入ると半数の隊員たちが座っていた。
自分が入ってきたことに気付いた隊員たちが立ち上がろうとするのを
手で制すると、ゲオルグは部屋の奥にある自分の席につく。
端末を立ち上げるとミュンツァーから送られてきている、
廃工場の図面データを開いた。

(これは・・・)

ゲオルグは図面をサッと見るとその構造に顔をしかめた。

(3階は小部屋が多いな・・・。1階と2階はだだ広いけど死角も多い。
 それに地下もある。 厄介だなぁ・・・)

ゲオルグは小さく嘆息すると、頬づえをついて図面をじっくりと眺め始める。

(入り口は1階にひとつだけ。基本は下から順番に制圧していくのが
 セオリーだけど、視界の悪さと地下があるのがなぁ・・・)

目を閉じて椅子の背もたれに体重を預け、右手で金髪をぐしゃぐしゃをかき回す。

(そもそも敵の大将が居る場所が判らないんだから
 作戦の立てようがないんだよね・・・)

目を開いて深いため息を吐くゲオルグのそばに、ルッツが歩み寄ってくる。

「分隊長、何かお悩みですか?」

声を掛けられ、ゲオルグはルッツの顔を見上げる。

「ああ、いえ・・・」

何でもないんです、と言おうとしたゲオルグはその言葉を飲み込んだ。

(曹長は僕より陸戦部隊の経験が長いんだよね・・・。
 ひょっとしたら
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