第一部「吉良吉影は眠れない」
第四話「サンジェルマンにて」
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有伍は空間を削り取り距離をつめた。つまり、周りのものも彼に引き寄せられるわけだ。
「っててててて…。」
「ほらみろ。よそ見をしている時間があるなら頭を使え。だからバカなんだよ。」
「んなら、お前も同じことだろうがよぉ〜。」
「ん?」
私は彼の言葉が嘘で無いと瞬時に判断できた。なぜなら彼は単純かつどうしようもない純粋だからだ。だから今の状況は理解できた。
「キラークイーン。」
バキンッ?
突然私に向かって飛んできた鈍器をキラークイーンが粉々に粉微塵にした。
「容易い。こんな事如きで私に傷をつけられると思ったか?フン…。」
「いや、違うんだなぁ〜それが…」
「ハハハ…いや、ハッタリだね。」
一安心しきっていた私は油断をしていた。油断は大敵…この日初めて思い知る。
ガコンッ!!
「ぬぉ!?」
まさか、花瓶が私の頭部を直撃するとは…よりによって私が油断している時に…。
「な?言ったろ?」
「うぐぐぐぐ…。有伍…貴様…。」
強打した頭部を抑え、私は膝をついてしまった。これほど屈辱的なことはない。見下した者の前で私も同じことをしていることに気づいたからだ。
「もういい!!来るならこい!!私は今からサンジェルマンのサンドイッチを買いに行く事にした。」
「ぁ、うん。いってらっしゃい。」
この野郎…。どこまで私をコケにしたら気が済むんだ?これでは私の面子が崩れてしまう。ここは私の誇りにかけて…
「いや、お前もこい。お前は私の下部だ。私のいいなりになってもらうぞ。」
「ぇ!?えー!!な、なんでだよぉ〜!!そのくらい一人で行けよぉ〜。」
「ゴチャゴチャ言わずについてこい。それともあれか?下部辞めますとか言うんじゃないだろうな?」
「…。仕方ねぇ。いくしかねぇのか。」
最初からそうすればいいものを…。
こいつにはプライドというものが無くて助かる。あればあるほど面倒になるだけだ。特に、バカでなおかつ頑固な奴は私が最も嫌う性格だ。理解力の欠片もない。だから嫌なのだ。
騒がしい奴なら黙らせれば済む話だが、そういう奴はまったく耳を傾けようとしない…。私の平穏な生活において邪魔な存在だ。
「フン…。」
「そんなふくれっ面になるなよぉ〜吉影様〜。」
はぁ…。腹が立つな。こいつの口調に対しては毎度毎度、私の気に障る。どうにかならないものか?空気を読むことはできないのか?それともただのバカなのか?
「おぃ、おま、いや、吉影様…あんた心のどこかで俺をバカにしたな?」
な、なんだ!?こいつ、エスパーなのか!?
それともスタンド能力?いや、違う。ではなんだ?これは…!!
「?なんのことだ?」
「ぉ?もし
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