第一部「吉良吉影は眠れない」
第四話「サンジェルマンにて」
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第四話「サンジェルマンにて」
頭が痛い。今日は特にだ…。
あの事件から有伍が私によくつきまとうようになった。正直言って、目障りだ。だがしかし、私は一度彼を下部にしている。私は一度決めた事はやりとげるまで行使することにしている。
中途半端なのが一番嫌いだ。そしてこの有伍も中途半端だ。
「吉影様、焼きそばパン買ってきたぞぉ〜。」
「何?私はコロッケパン、略称:ロケパンと呼ばれるパンを頼んだはずだが?」
「んなこたぁどーでもいいじゃねぇかよぉ〜。
なぁ?これも同じくれーうまいはずだ、食ってみろよ。」
パンを買いに行かせたのはいいが…頼んだ品でない物を持ってくるとは…。配下にする人材を誤ってしまったか…。しかし焼きそばパンとは…さぞうまいのだろうが、どうも私の口には合わない。
「なら、お前が食べろ。私はロケパンを買ってこいと確かに言った。これは絶対だ。」
「んなこと言われてもよぉ〜。俺もう金ないし…それに焼きそばパン好きじゃないし…。」
なら何故私に君の苦手な焼きそばパンを私に捧げようと思ったのだ?私でさえ苦手だというのにこの男は…。
「えぇい、面倒だ。買いに行かせた私がバカバカしい!!自分で買いに行く。」
「なら最初からそうしてくれよぉ〜。」
「いちいち気に障る奴だな。少しは私の身にもなってくれ…。」
深いため息を吐き、私は身だしなみを整え、街中へと歩を進めた。
スタスタスタッ…
徐々に私の耳に入るその足音…私は息を呑み振り返る。
「吉影様〜!!待ってくれよぉ〜。」
またか…。本当に面倒だ。ここで彼に構うわけには行かない。せっかく一人になれたのだ。これはチャンスだ。これを逃せば次の機会はこない。そう思った。だから私は逃げ切るため全力疾走で走ることにした。
「近寄るなッ!!クズめ!!私から離れろッ!!」
全力で私は街中を走る。しかし、わずか数秒私は捕らえられることになる。
ガオンッ!!
「瞬間移動ってやつさ!!」
「ぬ、ぬぁにい!?」
有伍のそのスタンド、削り取る能力で空間を削る。それは引き付ける他に自らも瞬間的に移動できるものだった。その結果、私は有伍に手を掴まれてしまった。
「俺のザ・ハンドは削り取る能力。この虹村有伍に削れないものはねぇ!!」
「君はバカだ。」
「ぇ?な、なんで?ねぇ、なんでだよぉ〜?」
有伍がキョトンとした様子で私を見つめる。彼にとってはその時間すらかなりの無駄な時間だ。そんなことのために時間を使うなら、避けることに頭を使った方がいい。
ガコンッ!!
「うげっ!!」
かなり鈍い音が聞こえた気がする。いや、したのだ。彼に花瓶のようなものが頭部に命中したのは確かだった。
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