第六十三話 最後の最初
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繋がるのか?
遺伝子の支配、決められた配役、才能の決定――――そうやって生きていく人間は本当に幸せなのだろうか。この政策は人の意志や感情に対する考慮が全くされていない政策だ。だからこそ、アスランは疑惑を思い浮かべていた。
「実際、そうでもしなきゃ本当の平和を生み出すことは出来ないっていう事なのか?」
こうでもしないと平和を得られない人が愚かなのか、それともこんな束縛をしてでも平和を得ようとすること自体が愚かだと言えるのか。結局、アスランにはそんな答えは導き出せない。
「だが、唐突過ぎる。これでは混乱を生むだけだ……議長は何を考えているんだ?」
アスランが最も不可解に思えたのはこの突然とも言える改革の発言だった。確かに議長を支持する声は多く、賛同者も多数出る事だろう。だが、同時にこんな突然の発言を行えば当然反発する声も上がる。それにロゴスが討たれたとはいえ、まだ連合との戦争が終わったわけでないのだ。今の段階で提唱すれば当然連合政府は抵抗するだろう。
議長なら会談を通してデスティニープランを推進することだって出来ただろうにと、対話によって平和を得ることが出来たはずだと、そう思ってしまう。尤も、これはアスランが勝手にそう思っているだけあり、実際に会談で提唱すればかつての社会主義のように世界中に浸透するなどという事はなく、志半ばで潰える可能性が高いだろうが。
「議長と話せる機会があるといいんだが――――」
何が出来る、というわけではない。しかし、それでもあって直接聞きたいことはたくさんある。デスティニープランが未だ未知数の計画である以上アスランとしてはそのあたりの事も含めて色々と聞いておきたかった。デスティニープラン――――戦争を止めるための平和への道標が皮肉なことに戦争継続の兆しとなる。されど、今のアスランにそれを止める手立てなどなかった。
◇
「ミラージュコロイド、展開――――警戒態勢に入れ」
コロニーレーザー周辺の警戒区域にまでたどり着いたファントムペインはガーティ・ルーのミラージュコロイドを展開させて移動させる。作戦内容はアーモリーワンの時と似ている。というよりも基本的にガーティ・ルーの部隊はそういった作戦でこそ本領を発揮すると言うべきなのだろう。
警戒圏にいる孤立した部隊を仕留めつつミラージュコロイド搭載MSであるネロブリッツとNダガーNを先行部隊として敵艦隊の内側から奇襲を仕掛ける。
ミラージュコロイドはないが、隠密性に優れているステルス部隊のダークダガーやスローターダガーも出撃させることで敵警戒圏の内側と外側から同時に攻めるのだ。その隙を突き、機動力に優れているスペキュラムパック装備のライゴウとロッソイージス、G‐Vで強行突破。最終的に一機でもコロニーレーザーの中枢までたどり
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