第六十三話 最後の最初
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程度の事しかできないと予想される。そしてレクイエムはザフトに破壊された。当然、レクイエムが他ならぬザフトの手によって修復されている彼には与り知らぬことであるが故にダイダロス基地も戦略的価値がないと判断している。となると残るのは自然と消去法でコロニーレーザー、或いは敵の戦略拠点、特攻覚悟でのプラントへの攻勢位しか残されていない。
「コロニーレーザーの再制圧か、プラントへの直接攻撃の二択か……」
連合側の士気は限りなく低い。そもそも連合の戦争継続自体に無理があるのだ。ロゴスを討たれた以上、これ以上の戦争継続はデスティニープランに対する反対によるものだ。しかし、逆に言ってしまえばそれしかザフトと敵対する理由が存在していない。ユニウスセブン落下の影響も未だに解決していない以上、本来なら連合は再建に力を入れるべきである。
更に言うならデスティニープランはユニウスセブンの落下によって出た被害に対する補償政策だと取ることも出来るため、この連合艦隊の出撃に民衆の多くは反対している。
「コロニーレーザーを制圧しに行って自爆させられたら堪らん……プラントを直接狙うしかあるまい」
戦争継続を掲げながら勝算の薄い戦いに挑む。何たる無謀――――そうは思っても動き出した以上どうすることもできない。後は座して結果を待つしかないのだ。
「第一艦隊、発艦せよ!繰り返す、第一艦隊、発艦せよ!」
遂に艦隊が出撃する。ジョゼフとアルザッヘル基地司令が乗り込んだアガメムノン級母艦を旗艦とし、複数の同型艦とドレイク級、ネルソン級の艦隊が多数発艦した。核を用意している艦を複数に分け、敵の核を誘爆させる兵器であるニュートロンスタンピーダーに備える。
出来る限り核を持つ艦隊はばらけさせているため、効果範囲に含まれないようにすれば被害を抑えられるという指揮官の判断からだった。
「我々はここで勝たなくてはならない。デスティニープランなどと言う荒唐無稽な事をこちらにまでおしつけようという――――そのような政策を我々は享受するわけにはいかない」
アルザッヘルの連合艦隊は動き出す。
◇
アスランはミーアと共にプラント市内で議長の放送を聞き、眉間に皺を寄せて考え込んでいた。
「アスラン、どうしたのよ――――そんな怖い顔して」
「ミーアは今の放送を聞いて何も思うことはなかったのか?」
デスティニープラン――――確かに成功すれば人類は永遠に望み続けた平和へと歩めるかもしれない。
「え、でも――――これで戦争がなくなるっていうなら……」
「確かに、これで本当に戦争が終わるのなら問題はないだろうさ」
だが、アスランの胸の内には不安がよぎっていた。役割を与えられ、縛られる世界――――果たしてそれが本当に平和な世界に
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