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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十七話
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「彼は?」
「こいつは俺が担当する極秘任務であるはずのブツが何かを知ってやがったんだ。本来なら我が隊の規定に沿って遺体を処理するのが筋なんだが、もし俺がすぐに帰らないことでそいつに指示を出した奴が焦って俺を潰しに来たら、こいつを材料におびき出して叩きのめし、それを土産に帰ろうと予定を変更したんだよ」
「だったらせめて私には連絡を入れろ。フレディはまだかとレジアスがうるさいんだが答えようがないじゃないか」
「あー……それは悪かった。申し訳ない」

 それを見ても平然と返すグレアムに対し珍しくフレディが自らの非を認めた。しかし、それも理由あってのことらしい。

「だが、盗聴される可能性もあったんだよ。こっちの奴らに」
「何?この男だけじゃなかったのか?」
「ああ。まぁグロウル使えばそんな心配もなかったろうが、あんだけ人がいちゃあどこに目があるかなんてわかったもんじゃない。こいつはトップシークレットだからな。万全を期す必要を考えれば、安易に本局と連絡はとれねぇよ。事後報告にするつもりだった」

 事実、さまざまな襲撃者がこの二日で彼らを襲っている。街中にサーチャーを飛ばして監視していたフレディからすれば、この街にいる限りどこで何をしようがすぐに把握できる。竜二を襲撃した不良グループも、直人を襲撃した魔導士チームもすでに察知していただけでなく、そのデータもある程度分析済みだというのだから恐ろしい。

「そういうことか……この近くに停泊しているはずのアースラから連絡しなかったのも?」
「ああ。あそこは独立指揮権を得てから風当たりが強いしな。他の派閥からスパイが何人かもぐりこんでいてもおかしくはない。裏の仕事を表の査察官やらに匂わせるわけにはいかねぇしな」

 海鳴では遊びまくっているから忘れられがちだが、彼は時空管理局本局でも暗部の仕事を担当しており、そのほとんどが危険または表に出せない極秘調査などだ。彼がここに来る前に片付けたとあるビルでの取引もその一つである。もちろんロストロギア対策の部隊も存在するが、そこが手に負えない時はグレアムを通じて彼の部隊に任務が行くようになっている。

「大体、確保したはずのブツごといきなりこんな辺境の世界に飛ばされたんだ。そこじゃ網張られてるだとか通信妨害されてるだとか想定するのは当たり前の話じゃないのか?」
「それもそうか……まぁなんにせよ、お前が無事でよかったよ」
「あれ、心配してくれてたの?」

 フレディはそれを聞いて人を食ったような笑みを浮かべている。しかしグレアムはそれを流して釘を刺すかのように言う。

「ああ。お前にはまだまだやってもらわねばならん仕事が山ほどあるからな。決裁待ちの書類が山ほど溜まってるぞ」
「帰って早々それかよ……」
「後始末書も山ほどあるからな」

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