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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝とお姫様 E
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報はバレたが。

「さて、これで妖怪は退治できましたが、まだやることが残ってるのでまだ時間をもらいますよ。」

一輝はそう言いながらダムのほうに近づいていく。

「さあ、これで依頼は終わったから次は個人的な用事に移ってもいいか?」
「・・・ああ、なんだ?報酬でも欲しいのか?」
「そうじゃねえよ。俺はアンタに用事があるんだ。」
「何のようだ?早く再開したいからな。さっさと済ませろ。」
「じゃあ単刀直入に、アンタを野良の妖怪と取引した罪で拘束する。大人しくしてもらおうか。」

一輝の言葉に一瞬マヤとダムが固まるが、すぐに取り直す。

「一輝、一体何を言ってるの?」
「マヤ様の言うとおり、何の事だかさっぱり分からないな。いつ俺がどの妖怪と取引したと?」
「マヤに聞いたが、お前は先に日本に来てたんだろ?その時にあの天邪鬼と取引したんだ。でないと、このホテルに天邪鬼程度が入り込めるわけがない。」

ここはお偉いさん用のホテル。そういったものに対するセキュリティがないわけがない。

「なるほど、その時間を使えば可能だろうな。だが証拠はあるのか?」
「まあ、あるな。取引の様子の録音が。」

一輝はICレコーダーを取り出す。
それを見た黒服の顔が険しくなり、

「・・・いつ録った?」

そう聞いてくる。
マヤは一輝の顔が真剣なものだったため、口をつぐんでいる。

「今朝、ちょっと過去に戻ってきた。寒戸に頼めば過去にもいけるからな。」
「は、そんな妖怪を放置しているわけがないだろ?」
「いや、俺がこの倉庫の中に匿ってるからな。俺の立場ならそれも許可されてる。」
「・・・・・・」
「じゃあ、おとなしく捕まってくれるか?」

一輝はそう聞きながら、ICレコーダーを再生する。
そこからは、天邪鬼がマヤと入れ替わり、本物のマヤはダムが好きにしていいという取引の内容が流れる。

「は・・・ははは・・・そうさ。俺があの妖怪に攫ってもらった。」
「認めるんだな?」
「そこまでの証拠を出されたらな。」
「なぜ、こんなことをした?」
「・・・マヤ様を俺のものにするためだ。」

そんなことを薄笑いを浮かべながら言うダムに、マヤが怯えて距離をとる。

「俺が護衛に付いたのは!全てマヤ様を俺のものにするためだ!この美貌は、俺が求める究極のもの!だから誰かに汚される前に俺が」
「ああ、キモい黙れ。」

一輝はダムの言葉を遮り、殴り飛ばした。

「マヤが怯えまくってるし、もう黙ってろ。いっそ殺してしまいたいが・・・いいか?」
「駄目だよ!」
「これ、ストーカーと言えると思うんだけど?」
「うん、かなり怖かったけど・・・それでも殺すのは・・・」
「優しいねえ。ま、それなら拘束するだけでいいか。
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