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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
親愛なる同士
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がとう、黒ウサギ。」
「笑顔でいっても、顔を背けたら意味ないぞ、耀。ま、そういうこった。音央たちメイドからのもあるからな。」

一輝は、さっき受け取ったばかりの袋を、黒ウサギに渡す。

黒ウサギは、四人のそれぞれ個性的な不器用な心遣いが嬉しかったのか涙を流し、

「あ、ありがとう・・・ございます。とても大切にするのですよ・・・!」

黒ウサギがそう言いながら開けようとすると、問題児四人は慌ててそれを遮り、黒ウサギの手から取ったプレゼントをリリに渡し、会場の中心まで黒ウサギを連れて走り出す。

「いいから、贈り物の確認なんて後でやれ!」
「今日が最終日なのだから、飲んで食べないでどうするの!?」
「まだまだ楽しむことはたくさんある!」
「行こう、黒ウサギ!」
「え、ちょ、ちょっと待ってください!」

黒ウサギは止まろうとするが、今までにない慌て方の問題児達に、そのまま連れて行かれる。

《あんなもん、目の前で読まれるのはちょっとな。》

最初に黒ウサギに渡した袋の中には、プレゼントのほかに手紙が入っている。
四人ともが、それぞれ黒ウサギに書いた手紙で、

『親愛なる同士・黒ウサギへ』と、宛名に書いてあった。



           ==============



「へえ、ちゃんと居場所があるんだね。それも、心から楽しめる。」

そんな集団を・・・いや、一輝を見ている少女が一人、いた。

「にしても・・・あんな笑顔、見たことあったかな・・・?明るくなった?」

少女は携帯電話を取り出し、一輝の顔を撮影する。
そのまま待ち受けの画像にすると、満足したように笑みを浮かべて、

「じゃあ、まあね。・・・兄さん(・・・)。」

夜の暗闇に、消えていった。



         ===============



「さて、それでは!第二回女子会を始めまーす!」

一輝のメイドたちは、音央が使わせてもらっている部屋に集まり、女子会を始めていた。
主催者はヤシロである。

「って集められたわけだけど、何を話すのよ?」
「一輝さんがどのような人かは、この間話しましたし。」

二人は話す内容が見つからず、ヤシロに聞きなおす。

「まあ、お姉さんたちは聞くだけになるかな。話すのは私とスレイブちゃん。」
「私もか?」

スレイブは話すような内容を探し・・・一つだけ見つける。

「・・・そういうことか。」
「理解できた?なら、まずは呼び方が変わったことからお願い。」

スレイブは観念したのか、恥ずかしくない程度の範囲で、今日あったことを話す。

「・・・お兄さんって・・・」
「まあ、こうなるんじゃないかとは思ってたけど・・・」

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