暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
スレイブ
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
が兄に迷惑をかけて何が悪い。」

もうダメです。
聞かずには、いられません。

「では、箱庭にいる間、あなたと共に居て、いいのですか?こんな、剣として中途半端な、私が?」
「もちろんだよ。ってか、箱庭を出てからもだ。」

マスターは、私の望み以上のことを許してくれた。
感情を持っていても、関係ないといってくれた。
マスターの剣で、いさせてくれた。

「だからさ、もうそのことで悩むな。
 感情を持ってていいんだ。むしろ、喜ぶべきことなんだ。」

そうか、私は・・・それを、受け入れることが、出来なかったのか。

「スレイブが望むなら、一緒にいて欲しい。
 剣として、仲間として、友達として、家族として、妹として、一緒にいて欲しい。」

そういって、マスターは、私を抱きしめてくれた。
ああ、なんて暖かいのだろう。
もう、我慢できないじゃないか。

「うあ、マスター、私、私、」
「もう我慢するな。泣きたいときには、泣いていいんだ。声を上げて、泣いていいんだ。」
「でも、私・・・」
「いいんだよ。一回泣いて、すっきりしろ。泣き止むまで、一緒にいるから。
 感情は全部、受け止めてやるから。」

私は、そこでもう我慢が出来なくなり、声を上げて、泣いた。
生まれて始めて、感情をさらけ出した。
マスターは、そんな私を、優しく、抱きしめてくれた。
私が泣き止むまで、ずっと。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ