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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
一対三
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「ガッ・・・」
「二人目。」

そして、振り向く勢いで頭を打ち、気絶させる。
残り、一人。

「あの猫耳、強すぎるだろ・・・」
「ほんとに、ノーネームなのか・・・?」

観客の中からそんな呟きが聞こえてくるが、せめてメイドであって欲しい。
メイドには慣れても、この耳と尻尾には一向に慣れない。恥ずかしい。

「君、何でノーネームにいるんだ?」

残りの一人からそんな質問がされる。
戦闘中に何をやっているんだ、とは思うが、そういえばマスターもこんなことをしていたな。
おかげで救われたのだから、否定してはダメだろう。

「マスターが、そこにいるからだ。」
「マスター?」
「ああ。我が剣の使い手、私を救ってくれた人だ。」
「そいつは、マスターとしてふさわしいのか?」
「ああ。でなければ、使い手として認めてなどいない!」

マスターへの侮辱に、私は切りかかった。
さすがに防がれたが、それでも続けた。

「それ以上の侮辱は、私が許さないぞ。」
「いや、その格好を見ると聞きたくなるんだけど?」

それを言われると少し困るが、それでも、

「あの人は、呪いにまみれた私を救ってくれた。消えるしかないと思っていた私に、別の道を示してくれた。この格好も、あの人の中ではちゃんとした理由がありそうだしな。」

まあ、ただの趣味の類という可能性も、否定は出来ないが。

「ふうん、それならいいけど。」
「もとより、心配してもらう必要などない!」

私は力づくで相手の剣をはじきとばし、がら空きになった胴に止めを加える。

《一角獣!》

半身にした体を捻り、一気に開放する。
相手は数メートル後ろにとばされ、気絶する。
これで全員戦闘不能だ。

「勝者、ノーネームダインスレイブ!」

結果として、相手に一切攻撃をさせず、勝利できた。
マスターのことを馬鹿にした連中も黙っているし、後はマスターと話しをすればそれでいい。

「では、賞品の数多の霊獣の角を使って作った剣を差し上げます!」

・・・剣に剣を渡して、一体どうしろというのだろう?

「ありがとうございます。では、これで。」

私は剣を受け取ると、すぐにマスターのもとに向かう。

「終わりました、マスター。」
「うん、お疲れ様。」

予想通り、野次馬どもは驚き、言葉を失った。

「これ、どうしましょう?」
「大して強そうにも見えないし・・・ってか、これもろそうに見えるんだけど。」
「そうですね・・・一般的な剣よりは丈夫で、切れ味もありますし、霊獣の力を振るうことも出来るようです。ですが、私や獅子王には遠く及びません。」
「だよな。コミュニティの武器庫にでも放り込むか。」

とりあえず、マスターの
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