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お白粉婆
第四章
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てきた、王島はその笛の声を聴いて眉を顰めさせた。
 そしてだ、こう言うのだった。
「まさかな」
「人買いですか?」
「いや、だからな」
 今時だ、そんなものがいる筈がないというのだ。
「それはない」
「じゃあこの笛は」
「誰かの悪戯か?」
 そうではないかとだ、王島は言う。
「それだろ、それか練習か」
「笛のですか」
「子供か誰かがな」
「夜の二時にですか?」
 しかしだ、若田部はこう王島に返した。
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