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銀河英雄伝説〜悪夢編
第四十四話 これで俺もバツイチだ
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「内戦により帝国は門閥貴族が滅び政府の力が強くなりました。このまま改革を続ければ帝国の国力は間違いなく増大します。そして自由惑星同盟は敗戦続きで国力は低下している。両者の中間で利益を得ているフェザーンは何を考えるか……」
「……」

そういう事か、改革の実は未だ上がっていない。国力の増強が感じられるのは早くても来年以降の事だ。だから私にもミューゼル少将にもよく分からなかった。だが来年以降は間違いなく三者の勢力比は変わるだろう。宰相閣下はそれにフェザーンがどう反応するかを今から探れと言っている。

「ミューゼル少将」
「はっ」
「フェザーンには高等弁務官は派遣しません。帝国は当分の間国内問題に専念する」
「それは……」
「つまり卿の行動に掣肘を加える人間は居ない」
ミューゼル少将の顔が強張った。宰相閣下は自由にやれと言っている。

「少将が私を嫌っている事は知っています。彼らと組んで私に敵対しても良い」
「……」
「但し、帝国の覇権が欲しければ誰かの力をあてにするのではなく自らの力で行う事です。失敗したくなければね」
硬直するミューゼル少将を前に宰相閣下が微かに含み笑いを漏らした……。



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