第一部「吉良吉影は眠れない」
第三話「強盗」
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「どうってことねぇ〜ってことよぉ、この虹村有伍に削れねぇものはねぇ〜。」
「フンッ…。私は君を誤解していたようだ。まったく…たいした根性だ。本当に君は天性のバカだな。」
「お前、また俺の事、バカっつったなぁ!?なぁ、なんでだよ?ねぇ、なんで?」
褒めたつもりだが、こいつは…本当にバカのようだな。まぁ私の言い方も悪いが…。こいつ…流れ、空気というものが読めないのか?
「そんな事はどうでもいい。ところで有伍、君は何故私の元に現れたんだ?失せろやら消えろなどと扱っていた私を何故救った?」
「んなこたァ、決まってんだろうがよォ〜。
ダチだからだよォ〜。それとも、お前は俺の事をダチだと思ってないのか?」
「思ってない。」
これで彼も私につきまとうことを辞めるだろう。彼には悪いが、私は平穏に生きたいだけだ。それ以上は求めないし望まない。
「そっか…。んならそれでも構わねぇ。お前の配下ってことにしてくれ。俺もお前の指示なら喜んで聞くぜ。」
「…。なんだと?」
虹村有伍…。こいつは一体何者なんだ?自分を私の配下にしろ?身の程知らずにも程がある。
しかし私はそこまで鬼ではない。友人という肩書きがダメなら配下ときたか…。そのくらいの覚悟は決めているというのか?
「もう一度言わせてもらう。君は私の配下…それでいいのかい?」
「俺としても気が引けるが、構わねぇ。お前を信じるぜ。」
「フフフ…面白い奴だ。いいだろう。今日から君は私の下部だ。」
私の配下…。悪くないな。だがしかし、程々にしておかなければな…。あくまで私の平穏のためだ。程々にしておかなければ、歯止めが効かなくなることもあるということも踏まえなければ。
「しっかしよぉー。吉影ぇ〜。どうしたんだ?こんなところで…。」
「おぃお前…主人に対しての口の聞き方をどうにかしろ。お前は私の下部だ。」
「ぁ。おぅ。すまねぇ。吉影様…でいいか?」
「それでいい。」
今日は気分がいい。下部を作るというのは実に気持ちがいい。私としては少し気が引けるが…構わないだろう。彼から言い出した事だ。なら私は彼の期待を裏切るわけにはいかないだろう?フフフ…。これで私の平穏への一歩が踏めたといったところか。これから私のために働いてもらうぞ。フフフ…。
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