第二章 [ 神 鳴 ]
十八話 諏訪の国
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諏訪大社。
諏訪子が祀られている都の中心に位置する建物だ。裏手に広がる森まで合わせると僕達が住んでいる村より広い。
都の中心と言ったが多分ここの周りに人が集まって何時の間にか大きな町になったのだろう。少し離れた所には大きな湖も見えた。楓が教えてくれたが諏訪湖と言うらしい。狙って付けたのか単に偶然か。
僕も紫も土着神の頂点と言われている神の住処だからきっと荘厳な感じなのだろうと思っていた。
「「「 ……………… 」」」
都に着き楓に案内されて社の入り口に辿りついた僕達の目に飛び込んできたのは、
≪おいでませ!諏訪大社!参拝しないと祟っちゃうぞ!≫
と書かれた色取り取りに装飾された手作り感バリバリの幟だった。祟り神だからもっとおっかない神だと思っていたけどそうでもないらしい。
「意外と親しみ易い神みたいだね」
僕は隣にいる楓にそう話しかける。楓は何故かプルプルと震えていた。そして突然、
「あの子はーーーーーー!!!!!」
と叫び声を上げながら階段を物凄い勢いで駆け上がっていく。僕と紫は呆然とその光景を眺めていた。
「……とりあえず後を追おうか」
「うん」
二人で階段を上り境内を目指す。境内では楓が1人の巫女を締め上げていた。
「あなたね!またあんなふざけた物を作ったのは!!」
「きゃ、きゃえでしゃま……きゅるしい……です……」
手加減をしていないのか巫女は本当に死にそうだった。さすがに見かねて楓に待ったをかける。
「楓、よくは分からないけど許してあげなよ」
楓はなにやら不満そうだったが巫女から手を離した。
「……しょうがないですね。今回はこれで許してあげましょう」
開放された瞬間巫女はすごい速さで僕の後ろに隠れた。
「楓様は相変わらず了見が狭いですー。あぁ何処のどなたか存じませんが悪い神様から助けていただきありがとうございますー」
巫女は楓に喧嘩を売りつつ僕に礼を言ってきた。すごいなこの子。
「……まだ懲りてないようね!早希!」
「ベーですー!こっちには何処のどなたか知らない味方がいるんですー」
僕を挟んで再び戦いが(一方的な)始まりそうな空気になる。すると、
「騒がしいと思ったらなにやってんの。とりあえずお帰り楓」
社殿の方からこっちに歩いてくる小柄な少女。
ショートボブの金色の髪に琥珀色の瞳。頭に被っている市女笠にはなんか目玉の様なものが付いている。!?今瞬きしたような……。服はミニスカートになっている壺装束、袖は白で胴とスカート部分は紺藍。足には白のハイニーソックスを履いている。
13,4歳位に見えるその体からは隠していても分かる位の
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