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東方虚空伝
第二章   [ 神 鳴 ]
十八話 諏訪の国
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す気か?」

「やだなーそんな訳ないじゃん」

 諏訪子はケラケラ笑いながら次の行動に移る。

「今度はこれだ!」

 諏訪子の周りの地面から岩石が飛び出してきた。一つ一つが80センチ程の岩が20個程。それが物凄い勢いで僕に迫ってくる。
 岩の間隔を見切りかわし続けていた時、突然僕の足を何かが掴んだ。

「何だ?」

 それは木の枝?根っこ?の様なものだった。動きが止まった僕に岩が迫る。

嫉妬(レヴィアタン)!」

 迫る岩を斥力で弾き飛ばし、刀で足を拘束していた木を断ち切る。

「なんか不思議な能力だね。いろいろ出来て便利そうだ。どんな能力なの?」

 僕は諏訪子に問いかけてみた。

「んーこれは『(こん)を創造する程度の能力』っていうの」

(こん)って確か『地』を指す言葉だったっけ?」

「そ、つまりこの大地全てがあたしの味方さ」

 なるほどまさに土着神の頂点って訳か。反則クサイなー。

「そういう虚空の能力は何なのさ?あたしは教えたんだからそっちも教えてよ」

「僕のはとりあえず『七つの罪剣(ななつのざいけん)を使う程度の能力』って付けてるけど」

 ちなみに罪剣と付けた一番の理由は強欲(マンモン)の略奪能力のせいだったりする。

「へーつまり能力が七種類もあるって事でしょう。すごいじゃん!」

 諏訪子はそう言うがそんな事は無い。

「でも制限が多いんだよ。一日一回とか使用時間十分とか」

「そこまで制限が多い能力も珍しいね。まぁいいや続けようか」

 そう言うと諏訪子の周りに無数の光弾が展開される。そして手には何時の間にか輪っかの様な物を持っていた。
 諏訪子が腕を横に振るとそれを合図に僕に向かって光弾が殺到してくる。それを斥力で弾き飛ばした瞬間、地面から四本の石の槍が突き上げてきた。

「っ!?」

 体を捻りなんとか直撃を避けるが諏訪子はその隙を見逃さず手に持っていた鉄輪を投げつけてきた。
 しかも鉄輪は空中で八つに増え不規則な動きをしながら僕に迫ってくる。
 斥力で弾くか?いや駄目ださっきと同じ目に遭うな。いろいろ試したけど斥力は一瞬しか発動出来ない。なら、

怠惰(ベルフェゴール)!」

 エストックが砕け、代わりにクレイモアが現れる。重力を十倍に加算して鉄輪を叩き落としすぐさま効果範囲を広げ諏訪子を捉える。

「な、何これ!お、重いー!」

 突然の事で諏訪子も対処できないようだ。一気に距離を詰め諏訪子の首筋に刃をあてる。

「はい一本。こんなもんだけどどうかな?」

 意地悪く笑いながら諏訪子に聞いてみる。

「ご、合格……っていうかこれどうにかしてー重いー!あーうー!」


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