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MS Operative Theory
統合整備計画A
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 U.C.0079,01,03、ついに「ジオン独立戦争」が開始された。公国軍は当初予定していたコロニー落としによる連邦軍本拠地ジャブローの破壊には失敗したものの、各サイドと連邦艦隊に壊滅的なダメージを与えており、そのまま圧倒的優位な状況で終戦協定を結べるはずだった。

 しかし、捕虜としていた連邦軍中将(当時)レビルの脱走と「ジオンに兵なし」演説によって、連邦軍は戦闘続行を決定する。実際、一週間戦争とルウム戦役で連邦軍に致命的とも思える被害を与えた公国軍も、多くの将兵と艦艇・MSを失っており、更には物資にも事欠く状況に追い込まれていた。しかし連邦が降伏しない以上、公国軍としては軍事力による連邦の撃破と地球資源の奪取、つまり地球侵攻作戦を展開せざるを得なくなった。

 そうした時期にマ・クベ少佐のMS統合整備案が採用され、「統合整備計画」が実施されることになる。同年1月のことである。

 地球侵攻作戦の決定と「統合整備計画」の採択の関係については語られている資料が存在しないため推測の域を出ないが、南極条約締結直後というタイミングから考えて、戦争の継続にとって地球用MSの必要数が当初の予定よりも大幅に多くなってしまったため(開戦以前は一太刀で連邦を打倒した後に占領軍として地球に進駐するつもりだった)、従来の生産ラインでは必要なMSのバリエーションと定数が満たせなくなったとの判断があったのだろう。

 経過はどうあれ「統合整備計画」は正式に採用された。責任者として任命されたのは、計画の発案者でもあるマ・クベ少佐であった。マ・クベ少佐の指示自体は単純なものであった。

 「ザクの生産ラインをベースにMSを開発せよ」。つまり、すべてのMSを「ザク化」しろということである。しかし、各MS開発計画、特にMS?09ドムと水陸両用MSシリーズの開発はかなり進行していたため、それらの機体はかなり進行していたため、それらの機体に関しては現状のまま開発を進めることが許され、後に生産ラインを統一することになった。

 いかに汎用性に優れるザク・シリーズであっても、それだけで地球の戦線を支え、短期間で連邦を降伏に追い込むのは不可能だと判断したのだろう(マ・クベ少佐自身が地球資源確保の責任者を兼任していたことも理由の一端である)。それでも「全MSのザク化=各機体の根本的な設計変更」には約4ヶ月の時間が必要で、その間、新型MSの開発は滞ることになった。

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