戦闘校舎のフェニックス
第27話
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」
「はい。構いません」
返事をするとグレイフィアさんが部屋に入ってきた。男性を連れて。
部長と同じ紅の髪。部長に似た面影を持つ男性。この二つだけで部長の血縁者だと想像がつく。
そして部長の兄妹は兄が一人と言っていた。ならこの条件に合うのは父か兄の二人。
悪魔に外見年齢が当てになるか分からないが、父か兄なら兄の方がしっくりくる風貌。
すなわち
「初めまして、望月朔夜君。私はサーゼクス・ルシファー。リアスの兄で魔王をしている者だ」
この人が悪魔のトップの一人、『紅髪の魔王』と呼ばれている魔王ルシファー。
「は、初めまして、駒王学園二年。この度のレーティングゲームでリアス様の『傭兵』として参加致しました。望月朔夜です」
跳ね上がるように椅子から立ち挨拶を返す。
「それでは私は失礼いたします」
「ああ。例の件、よろしく頼むよ。グレイフィア」
「畏まりました」
ルシファー様とやり取りをし、グレイフィアさんは退出した。
まさか、魔王と一対一で話すことになるとは思ってもなかった。
パーティーで遠目に見るくらいだと思っていた。
「緊張しなくていい。見ての通りこの部屋には君と私しかいないんだ。ゆったりしてほしい」
「はい」
とは言われても無理がある。
「まずは、この前のレーティングゲーム。リアスの助っ人として参加してくれてありがとう」
「いえ、やれる限りのことをしたまでです。それにゲームには負けてしまいました」
「謙遜する必要はない。君は7人も倒した。内一人は女王で、それを単騎でたおしたんだ。十分に評価に値するよ」
「・・・ありがとうございます」
それでも、負けは負けだ。大切なゲームだっただけに悔しさも通常以上だ。
「そういうことで、リアスを助けてくれた君に御礼としてこれを渡そう」
ルシファー様は懐から一冊の本を渡してきた。
「これは魔導書だ。昔手に入れたものなんだが、私では使い道がなくてね」
「そんな!?魔王様からモノを受け取るなんてできません」
自分はただの半人前魔法使いだ。悪魔と契約を結んでいるわけじゃないのに魔王からモノを受け取るなんて恐れ多い。
「これには色々な意味があってね。今回のゲームは悪魔の問題だ。それに人間の君を巻き込んだお詫びであり、リアスの兄として妹に協力してくれた礼でもある。受け取ってほしい」
ここまで言われて受け取らないのはかえって失礼になる。ならありがたくいただいた方がいい。
「ありがたくいただきます」
触っただけで年代物だとわかる魔導書だ。悪魔の感覚で『昔』なんだ、百年単位で前のモノなのだろう。
「でも、いいのですか?一介の魔法使いに魔王が御礼を渡すなんて」
「さっきも言った通り、リアスの兄としてね。まぁ
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