第百五十九話 ヴァンフリート星域会戦 その8
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クは目を開いて肯定する。
『判った、ボロディン無理はするなよ』
「無論です」
これにより、第十二艦隊第三第四分艦隊六千隻が反転、その後小惑星や隕石群をレーザー水爆や主砲で爆砕し、敗走をしたように見せかけてレーテル艦隊を誘き寄せ、反転してきた第五艦隊第三第四分艦隊六千隻と共に都合一万七千隻ほどの戦力で十字砲火の中撃破ししたのである。
その後、第十二艦隊はありったけの宇宙機雷を航路上にバラマキ、ケスラー艦隊との間に機雷堰を築いてしまった。指向性ゼッフル粒子発生装置などを持って来て居ないケスラー艦隊はそれ以上の進撃が不能になってしまった。
しかし、機雷で退路を断った以上、同盟軍は何れジリ貧になる可能性が高いので有るが、その予想は覆される事に成った。
四日後の4月9日、第五艦隊と対峙している、エッシェンバッハ元帥率いる艦隊の後方から一万七千隻程の艦隊が突然攻撃を仕掛けて来た。ローテーションで丁度休息に入っていたカイテル艦隊が痛撃され混乱が生じる。
彼等はやっと戦場に間に合った同盟軍第八艦隊と宇宙艦隊総司令部直属艦隊であった。
その攻撃と連動するが如く、第五艦隊が紡錘陣形で突撃を敢行し突然の攻撃に慌てるホイジンガー艦隊の一角を突き破る。
更に第五艦隊に接触するが如く至近距離から第十二艦隊も紡錘陣形で包囲網を突き破る。そんな中、エッシェンバッハ元帥直属艦隊が、体制を整えて第五、第八、第十二艦隊へ攻撃を仕掛けようとするが、パニック状態のカイテル、ホイジンガー艦隊が射線上で彷徨くために攻撃する事も出来ない。
エッシェンバッハ元帥は旗下の艦隊の体たらくを苦虫を噛みつぶした様な表情で見ている。
「あれでは攻撃できないではないか!」
体制を整えた、同盟軍四万隻ほどが、三万数千隻の帝国軍を撃滅しようと動き出した刹那、第十二艦隊に大規模な火球がはじけ、艦隊に大規模な損害が生じた。
機雷原監視をレーテル艦隊に任せ、迂回航路を通って戦場へ急行していたケスラー艦隊が間に合ったのである。
ケスラー艦隊は、再度シュワルツ・ランツェンレイターを切っ先として、突撃を敢行した。
その攻撃に同盟軍は大打撃を受けつつあったが、ロボス元帥にしては珍しく、早期の撤退を行い、第五艦隊と第十二艦隊が殿として後退していった。
これにより、帝国軍は敵基地の完全降伏を完了したが、貴族出身の艦隊司令官の体たらくが浮き彫りとなり、エッシェンバッハ元帥も今回の事で流石に貴族出身将官に見切りを付け、ケスラー提督の元で活躍した下級貴族、平民出身の将官の起用に積極的となった。
今までであれば、ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯に遠慮する所であるが、強い陛下のお墨付きを得た以上、軍務尚書エーレンベルグ元帥、統帥本部長シュタイホフ元帥の三者
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