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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第48話 1日だけの
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「ああ」

 キリトとリュウキはシリカを連れ、この《思い出の丘》から出た。





〜第35層の風見鶏亭〜


 シリカのホームへと戻った後。
 シリカはは、キリトとリュウキに言いたい事が凄く沢山合ったんだけれど、言葉が出なかった。まるで喉に小石が詰まったかのように言葉が出ないのだ。

 そこは、キリトが借りていた部屋。 
 
 その部屋の窓からはもう夕陽が差し込んでいた。その光の中……対照的な印象の衣装を身に纏う2人を見てシリカは漸く……震えるような声で聞いていた。

「……リュウキさん、キリトさん……やっぱり 行っちゃうんですか………?」

 その問いに2人は暫く沈黙すると、キリトが先に口を開いた。

「ああ、5日も前線から離れちゃったからな。直ぐに戻らないと……」

 キリトがそう言うと、リュウキも同じだと言う様に、頷いた。

「そう、ですよね………」

 そして、シリカは残念そうに……呟いた。戻る、と言う事は もう、お別れだと言う事だから。寂しそうな悲しそうな表情をするシリカを見たリュウキは。

「……その装備は返さなくて良いから」

 シリカにそう言っていた。

「え……?」

 シリカは……驚いていた。
 シリカの左手の薬指で輝いているエメラルド・リング。今回の旅で……自分を救ってくれた装備の1つと言っても過言じゃないもの。こんな高価なものを、と何度も、攻略の際にもリュウキに言っていたのだ。だけど、その度構わない、と言ってくれていた。

 シリカは、最後には、返そうと思っていた。分相応の装備だと思っていたから。それをも判っていたかの様にリュウキは続けた。

「……会えた記念のプレゼントだ。……そう、と思ってくれ」

 リュウキはぎこちなくそう言っていた。
 その雰囲気を見て……やっぱり慣れていないのがよくわかる。そして、彼なりの、気遣いなのだともわかった。

「あっ………」

 シリカは、その言葉、とても嬉しかった。
 だが、それ以上に言いたい言葉が更に強く出てきたのだ。それは、『連れて行って欲しい』と言う懇願だ。
 でも……口に出す事が出来なかった。

 リュウキのレベルが90。
 そして、おそらくはキリトもそれに匹敵するレベルであろうとも思える。

 そして……自分のレベルが46。 その差は、リュウキとで44―――。

 残酷までの明確な差だった。どの距離。2人の戦場についていっても……シリカなど一瞬でモンスターに殺されてしまうだろう。それに……自分を助けようとして、2人に迷惑をかけてしまうのも、シリカにとっては耐えられない事なのだ。
 
 同じゲームなのに……同じゲームにログインしているというのに、現実世界以上に高く
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