暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第46話 タイタンズハンド
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「んで? あんた、その死に損ない共の言う事真に受けたの? それでアタシらを探してたわけだ。それもたった2人でギルド1つを? ははっ、随分と暇なんだねー。それに……」

 ロザリアはリュウキへ視線を送ると

「そう言えば、以前のアンタのあからさまな挑発。あれって、この時の為だった訳だ。万が一、アタシがシリカちゃんを狙わなくならないように、自分にも憎悪を植え付けようとしたわけ? ふぅん馬鹿だけど、割と計算高いわね〜? 可愛い顔をしてさぁ。 まあ、アンタ達2人のまいた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるけど、たった2人で何とかなると思ってんの? あたし達、《タイタンズハンド》をさぁ……?」

 ロザリアの唇が歪む。
 そして、卑しい笑みを浮かべ……右手の指先が素早く二度中を仰いだ。それが合図だったようだ。途端に向こうへ伸びる道の両脇の木立が激しく揺れた。その瞬間には次々と人影が現れた。

 その殆どのプレイヤーのカーソルがオレンジ。

シリカから見れば、禍々しい色だった。その数、総勢15人。絶望的だと、頭を過ぎった。

 その殆どの男は、ニヤニヤと卑しい表情を浮かべていたのだ。これから行う事、それがどうしようもなく好き。他人の不幸が大好きで快楽。
 まるで、人を人と見ないような表情だ。

「に……人数が多すぎます……脱出しないと……」

 2人に挟まれるように守られているシリカが小声でそういった。
 この距離なら……直ぐに転移結晶を使って……テレポートまでの時間、何とか逃げれば……と思っていたのだ。だけど。

「大丈夫だ」

 リュウキは、そう言うと、キリトの方を向いた。

「……キリト、こいつらオレにやらせてくれ」

 リュウキは、キリトにそう言った。表情は全く変わらない。でも、その内に内包しているモノは、全く別モノだった。
 それはシリカには、はっきりと判ったし、見えた。

 キリトは頷く。

「シリカと、あいつらの逃亡防止だけ、警戒してくれれば良い」

 そう言うと、剣を取り出した。それは、さっきまで使っていた片手剣じゃない。それは両手剣だろうか? と思える程、凄く長い剣だった。
 シリカは見た事がない武器だと目を見開いた。でも、それでも不安は高まるばかりだ。

「そ……そんなっ! たった1人でなんて……無茶ですっ!」

 シリカは小声を心がけていたんだけれど、ここではつい大声になってしまっていた。

「……大丈夫だ」

 そう言うリュウキの表情。その瞬間だけ……優しさが出ていた。いつもの優しさが。

「何かあったら、オレも行くから安心してくれ。ただ、転移結晶だけは準備していてくれよ?」

 キリトもシリカの頭の上に手をぽんと置く。

「で……でもっ!」


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