第四章
やはり彼らの青春は歪み始める。
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、俺がふわあ、と欠伸をしたところで馬鹿が馬鹿なこと吐かしやがる。
「だが、我のことを思い出す暇もあるまい。……我には分かる……。我と八幡。そして女子が三人!これが何を意味、するのか……。――助太刀するぞぉお!さて、ここは一旦逃げるぞ、八幡!」
助太刀するのに逃げるってどういうことだよ。お前不要じゃねーか。
「……いや、それよりちょっと待ってくれ。ここに女子は二人しか居ないんだが?」
――返答次第では訂正が必要なんだが……。
と、俺が前へ乗り出すと、奉仕部三人衆がこちらをじっと見てくる。――俺、迷わず目を逸らす。
何だよ。顔に何か付いてたか?
ま、そんなことは今、どうだっていい。今じゃなくてもどうだっていいけど。
「材木座くん。男子はここに何人いる?試しに指さしてみてよ」
材木座は調子を崩され「は、はぁ……?」と、戸惑いつつも、比企谷と自分を指さした。
「じゃあ女子は?」
「………。――痛いっ!」
「おぬし、なにゆえだ……」
材木座がこちらを指さしたので軽く捩ってみた。
……糞が。ふざけてやがる。
「昨日ここであったはずだ、が……って忘れてたか。端的に言う。俺は当然のように男だ」
「むぅ?男が何故……カ、カチュ……髪留めなどをしているのだ?」
「――は?」
クスクスと笑う周りの連中。……まさかと思い、頭を擦ってみる。
……HQ、HQ!こちらKIRIYA。頭部にカチューシャを発見した!直ちに、破壊する。
「――教えろやっ!」
勢いよく、とっても可愛くて女の子らしい、花飾りが付いたカチューシャを地面に叩きつけ、地団駄を踏み、それを砕いた。――俺より。オマエらに殺意を込めて★つーかいじめじゃね、これ?
「滑稽だな。……で、何の用だったんだよ、材木座?」
まだ終わってねーよヒキガヤ。勝手に話変えるなよ。
あと、滑稽じゃなくてこんなの酷刑だ。公開処刑だよバカ。
お前ら俺の頭で遊び過ぎだと思う。お父さん禿げさせんなよ……?
「お、我が魂に刻まれし名を口にしたか。我が剣豪将軍・材木座義輝の名をっ!」
名乗るの何度目だ。
俺はコートを強く靡かせ、ぽっちゃりした顔をやたら男前にきりりっとさせる材木座のわざとらしさの滲む仕草を冷ややかな目でみる。
しかし、ずっと妨害されてきちんと言えなかった自分の名を名乗れ、材木座は満足そうだった。
「それにしても最近の男児は女々しいのが多いな。この三人など完全に見た目はおなごではないか」
「いや、こいつが例外的に男子で、あとは普通に女子だからな?」
「………」
「例外言うな!例外だけれども!」
俺帰ろうかな……。もう昼になっちゃうし。
「ねえ、盛り上がってるところ悪いんだけど……剣豪将軍って……なに?』
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