第四章
やはり彼らの青春は歪み始める。
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哀しいだけ。
本当に自分はくだらないと、感情など取って付けただけのガラクタだと、
――灰色い世界でそう思った。
ってかそれより今日休日だぜ?みんなよく来たよな。
しかも由比ヶ浜は部員じゃねえしよ……。
それより休日に依頼なんて来るのかよ。
なんて……。まあ良いや。寝よ――。
× × ×
数十分後……。静寂は唐突にして破られた。
「剣豪将軍 材木座義輝ゥ……いざ尋常にィ、参るッ!」
バッシャーン!と、言うバカでかい音で目を覚ました。
どうやら何者かがドアを勢いよく開いたらしい。ドアから勢いよく白い紙がバサバサと飛んできて、ふわりと上がり、宙を舞った。
いきなり誰だよ、まったく。いや、名乗ってたけどさ……。
「フッフッフ。やはりここに居ったか比企谷八幡。……ふっ、実に奇遇だなあ」
おいおい、『やはり』って言ったのに奇遇ってどう言うことだよ。
絶対どっちかは嘘じゃねえかよ。
あとその笑い方ヤメロ。
「うおぉおぉ……」
「どうしたソコの」
比企谷が呻いていやがる。呻いて嫌がる。超苦しそうだ。何かもう『苦悩』って感じだ。
痛そうに、苦しそうに、いきなり現れた男の存在を認めたくないかのように。
……このウザいのがそんなに嫌なのかよ。――全く。ちゃんと俺で免疫付けとけよな。……ってあれ?これって自虐ネタじゃね?
「そう言えば昨日偶然うっかり教室であったよね?その日はソコの奴がいなくて帰っちゃったけれど」
「うっかりとか奇しくもみたいに言うなよ。ってか奇しくもじゃなくて『苦しくも』の方がこの場合的確だと思うんだが……。って苦しそうにしちゃダメだろ!可哀想じゃねえ……か。ねえな。――何だ俺も充分苦しいや」
比企谷も納得のようだ。
材木座義輝と名乗ったデブの癖に顔のパーツはキリリと整ったアンバランスな男は、いきなり顔を強張らせ、言い放つ。
「……?御主――何奴っ?」
ソッコーで忘れてんじゃねえよ。俺のことだから仕方ねえけれども。
ってか忘れられてんじゃねえか俺。これって比企谷に任せた方が良いフラグじゃね?
そうだよそう何だよ。こいつの相手は比企谷の特権。八幡の素敵なお仕事だから。
「つか、お前何でここにいんの?」
「ハーッハッハ。強がりは結構!御主の今の状況……我が手助けしなければ死んでしまうであろう。……それは、まだ、ちと早い。共に戦った戦友よ!戦場で芽生えたわずかばかりの、些細な絆ではあるが、剣豪将軍 材木座義輝が、――駆け付けたァ!」
「うおおぉぉぉおぉ……」
「ハチマン、気を確かに……!」
あまりのウザさに比企谷が拒絶反応示しちゃってるよ。
やべ
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