第四章
やはり彼らの青春は歪み始める。
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。
それは同じく長方形ではあったが敵を行動不能にはとても出来そうにない。
しかし、俺の意識……いや、 髪 を刈り取るには充分すぎるモノだったろう。
ソイツが発する振動音が、俺の動悸を狂わせる。
(ウィーンウィンーウィーン……)
――バリカン……!
俺はまたもや気を失ってしまった。
× × ×
「まさかパーティーで使う出し物用のプラスチック製のカツラであんなに効果があるとは思わなかったよ……」
由比ヶ浜はしょげていた。何だか申し訳なさげに俯いてるようにも見える。
でも、騙されない。知ってるぞ、俺。その実、楽しげにクスクス笑ってんのをよ。
「二度目以降は亡いぞ?」
「――〜っ!」
俺は脅すが、これ様にならねえよな……。
おいコラあからさまに吹き出すんじゃねえ。
由比ヶ浜結衣。面倒なイレギュラーだ。
俺は少し視線を外し、彼女の足下に転がるカツラに目をやってから、この奉仕部全体の連中を睨む。
「比企――おい、ソコの。どうして止めなかったんだよ」
「……ワリィ。だが、アレだぞ。ほら、なあ。平塚先生がさあ――」
嘘くせえなぁ、オイ。……まあ、良いや。どうでも。先生マジ外道だわー……。
どうにしたって元凶はコイツだ。――雪ノ下雪乃。
由比ヶ浜に換価、いや管下、それも違くて、看過、いや全部あってる、――ナンカされて血迷ったんかね。
あるある、よくある。らしいねそう言うこと。
僕もちょっとあった。そう言うの。――それは勿論。
……『調子が狂うってことだ』。
どうしてか変な行動とっちゃうんだよね。
つまり、あれだ。由比ヶ浜結衣は形は違えど『無為式』ってな訳だ。ナンチャッテ無為式。
一緒にいると、調子が狂う。
その結果どうなるかは分かったもんじゃあ無いけれど。
悪意のない、かと言って意識された無意識でもない、『無為式』。
……けど関係ないや。僕は決して『壊されない』。
「よくわからないが雪ノ下、こう言うのはもうヤメロ。じゃなければ俺、奉仕部やんなっちゃうからさ」
「……けれど、いい髪型よ、それ。まあ、私が切ったのだから当然なのだけれど……」
俺が女だったらいい髪型と言えたのだろうが、ちょっと俺のカーストに合わないんだが?
鏡を見たときに、自分が自分の顔をめっきり忘れていたことに気づいたけれど、さすがにこれは違和感ありすぎだ。……マジ俺男の娘。これなら毎朝いけない妄想に浸れるね♪
それにしても髪が短いのは何だか落ち着かない。
あと、何かとポジティブシンキングに徹しているが、正直ショートカット
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