第四章
やはり彼らの青春は歪み始める。
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い。
よし、頑張ろう。……頑張るって何だっけか。こんなに下向きなことだったかな?
とにかく言いたいことは、
「俺の戦いは、まだ始まったばかりだ!――完!」
「さっそく終わらせようとするんじゃない!始まったんじゃないのか!?」
そんなこと言ったら打ち切られた漫画家さんに酷だろ……。
仕方ないんだよ、ああ言う《いつ追いやられるか分からない人達》には……いや、彼らだって美しく、有終の美を飾りたい。納得のできる結末を描きたいのだ。
しかし、時により作品は思うように完結しない。
最高を夢見たものが途中に失せることもある。
それは他人に評価されるものの宿命だろう。評価が下がれば、いずれ評価に値しなくなり、消え失せる。評価されないから消えていく。それは、まるで僕のようだ。
評価を望まなかったから、消えて行く。作品は、作品の求める結末なるままに……。
物語は途中で打ち切られる。
それは、時に誰かの都合で。或いは私の不都合で。
……僕は俯く。
この物語は一体何処へ、どんな結末へ進むのだろうか。僕には想像できない。
将来はおろか、この高校を卒業する姿が想像できない。それは決して、友達のいない生活が考えられない云々でなく、ただ単純明快に、もう無いようなものであるから。
嗚呼、考えれば考えるほど俺、高校卒業できずに死ぬんじゃないかしら。やっぱり、今までは夢なんじゃないか?と、さえ思えてくる。いつ終わりになっても構わない物語をだらだらと続けるほど、価値の無いものもあるまい。延々と後日談をやってたら、流石に飽きるってもんだ。もしくはずっと戦闘シーン。或いはずっとラスボスとの会合。いつになったらバトルんだよバカ!……みたいな。それで結局戦闘は無し、とかだったら正しく戯れ言だ。て言うかシリーズだ。俺はバトルよりミステリが好きなんだけどね。――ミステリやってよバカ!
そして、それは日常だ。ずーっと一人称。お前はそんな一つの考え方しか出来ないのかよ馬鹿、って感じだ。
いつ終わっても良い物語。明日辺り車に引かれて終いそうな物語。バッドもハッピーもない物語。
ひたすらに報われない、報おうとしない世界観ではあるけれど……。
――どうして終わらないのだろう。何故続くのだろう。
結末は用意されているのだろうか?
俺は、僕は、幸せになれるのだろうか?真っ当に人で在れるのだろうか?
価値観は?心は?性格は?そして何より俺の《病》は?その歪みは治るんですか?
それすら、定かではないのに。
この物語は続いていた。――その理由は、きっと……。
《 》。
「何を思い詰めた顔をしているんだ、桐山。……ふふっ、やはりお前は――ロマンチストだな」
「……はっ。何ですか
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