第四章
やはり彼らの青春は歪み始める。
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二人にまで読ませようって魂胆がもう酷い。
「分かったが、別に俺たちに頼まなくても良いんじゃないか?あらだ、ほら、小説投稿サイト……とか、あるだろ?暁とかなら登録もわりとすぐできるし良いと思うぞ」
最もだ、比企谷。
今はいろんなツールがあるんですし、わざわざ学校の同級生に頼む必要もないと思うのですよ。いや決してめんどくさいとか面倒だとか興味がないとか無関心とかではなくて。うん、純粋に頼む必要がない。
マジめんどくさい――あっ……。
俺が「察し」ていると、雪ノ下が静かに決断を下した。
「まあ、それはともかくとして、今日はいったん各自帰宅ね。他の部活とは違って私たちは昼食を用意してはいないのだから。その小説は……自宅で拝見するわ」
「……そうだね!お母さん絶対心配するし!」
雪ノ下の提案に由比ヶ浜が納得する。比企谷は黙って頷いていたが、表情には疲れが滲んでいた。絶対ちょっと読んじゃっただろ。……だからつまんねーぞって忠告したのに……アレ?結局なにも言わなかったんだっけ?
そう言えば心の声だった。
「そう言うことだから、今日はいったん……あ、違う。全員分ちょっと職員室で印刷してくる。……小説の原稿渡してくれ」
俺は材木座から原稿を受け取り、歩き出す。
……そう、これが奉仕部の活動である。やっぱめんどくさい。
平塚先生はこれで俺は変えるつもり何だろうか。正直なところ良くわかってない。
実際、精々おまけってトコなんだろう。俺は付属品かよ。
そのまたおまけに致命的な欠陥付きでもある。……やだ、惨めすぎて死んでしまいそう。
とか何とか考えると体がふわついて平行感が保てない。何だか酷く無気力だ。
「今日って吹奏楽部の練習はないのかなぁ……って言うかこの学校に吹奏楽部ってあるんかな?」なんて的外れなことを嘯きつつ、一際シンと静まった廊下を歩いていた。――無音。意味もなく無惨でもなく、ただ在るだけの無音。
足音すら、廊下の先に吸い込まれていく感じで、僕は自分の存在について疑問を抱く。
自分がいなくなって行く感覚がした……。決して、比喩でなく。
しばらくもたもた進んで行くと、ようやく《職員室》と書かれたプレートが視界に入った。……やっと自分が生きてる心地がした。まあ、心地だけで何だか酷く寂しかったけれど。
うわぁあん!三十路ひらつか先生可愛いよお!婚期逃して涙ながらに駆け出していく静たん可愛すぎてなのかそうでは無いのか分からないけど生きるのがつらい。大人になったら先生を僕が迎えに行くからね!?僕も寂しかったんだよう!……って俺はウサギさんかよ。――否。こんな気持ちの悪いウサギを認めてたまるか。人参で窒息しろ。
それにしても残り物同士のカップリングとか案外アリだと思います。
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