第四章
やはり彼らの青春は歪み始める。
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付けないよう慎重に、左手を使い右ポケットから投げナイフを抜き出す。――先ずは投げナイフを使用し、先手を射つ。その跡は走り込みながら、残りの投げナイフを首に、そして丁度、相手が首を抑えたところで殺傷能力の高い拾伍センチナイフで腹部に一突き。
……トドメを刺す。
だから何なのこの完璧なまでのイメージ。――よーし、それで行こうじゃないか!
そうさな……。先ずは脚部!
……って、待てよおい。
俺は相手の顔を確認し、呆気にとられる。
「何者かと思えば雪ノ下さんじゃないか」
「ごきげんよう、桐山くん。いい髪型だと思うわよ。ええ本当に……」
「………」
ちょっと頭の中を整理してみよう。
教室→雪ノ下雪乃→奉仕部――→監禁。
……oh……!
――すべて謎は解けたッ!
「ああ、ああ、畜生なんてことしやがった!出てこいてめえら!一人ずつ一列に並べて捩って壊して切り揃えてやる!」
俺口悪ッ!……まあでもしょうがないよね!
俺が呼び出すとわあ、出てきた出てきた。すげえ嫌そうな顔しやがって。
俺の方が百倍嫌な思いしてるっての。
つーか、こいつら全っぜん悪びれねえのな。超不満げ。ちょっとー平塚先生、ここ教育行き通ってないデスよー。いつもの鉄拳制裁お願いしますよー。ねー。
「うわっ、桐山くんマジギれ?」
「その髪型じゃあ迫力もないだろ……」
うるせえよ。ってか柄悪ッ!
由比ヶ浜ちゃん。以後ちゃん付け無し!さん付け無し!
比企谷はヒッキーに格下げ、っておいおいソレ親しげじゃねえか。それじゃあ以後『ソコの』で。
それにしてもさっきから髪型だの何だの言ってクスクス笑っていやがる。
「俺の頭がどうかした……の、へ?」
俺の髪が――ナイ?
え?
ない、ってアレだ?『内』とか『廼』とか『綯い』とかの『ない』じゃなくて、まあさっきの流れから言っても『無い』ですよね?え、『亡い』でもなくて、
――『無い』の方だ?いや『亡い』でも困るけれども。
つまるところ俺の頭、――この場合、一般的には頭髪を指す――が、ナッシングの方の『無い』ってことだ?
え?ちょっと突然の別れで受け入れられないんですけど……。
俺は自分の頭を撫でくり回してみる。
ただ、何度触ってみても、本来そこにあるべきである毛髪は存在していなかった。
ただ、硬い皮膚だけが俺の指を圧迫――いやアぁぁぁーっ!
「嘘だ嘘だと言ってくれえ!」
涙を流す俺。
しかし、いや、やはり彼女は無情である。
雪ノ下雪乃はにっこりと嫌な笑みを浮かべ、あるものを取り出した。
――スタンガン。?と、一瞬考え、身構えたが、現実はもっと容赦なかった
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