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連邦の朝
第三十六話 謀略
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一君や一国に仕える貴族が居るのを国の領域として、大体の本当の国境は二君に仕える貴族達で固まっていた。その後方に左遷貴族や信用出来ない貴族、近くに信頼の置ける貴族を配置していた。

忠誠心の高いツェルプストー家(ゲルマニアにあれほど無下に打ちのめされ、その結果裏でトリステインにも忠義を誓っているが、戦争時にもゲルマニアに対しては弓を引かない契約をトリステインに通した。)やヴァリエール家等は珍しいのだ。

ワイアットは、その二君に仕えている本当の国境にいる貴族を引き込みたく、ブリティッシュ商会や国庫の金を工作や親善に回したり、工作員を使い印象操作をしたりと結構な動きをしていた。

これ対して黙って無いのがゲルマニアである。

「こうも面白い事をしてくれるとはな…」
資料を見て呟く男は、とある派閥の長であり、利益と保身の神様の様な男で人は彼をゲルマニアの大俗物と呼んでいた。

取り敢えずは、少量の情報を報告してどちらに着けば良いか考えていた。

ゲルマニアとトリステインは水面下で戦争一歩手前になった。



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