フラヒヤ山脈へ
明星の英雄
フラヒヤ組道中A
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なモンスターがいるんだい?父さん。」
セージは父であるガイルにドール渓谷の生態系を尋ねた。
「んん?よせよせ。聞くだけでチビるぞ。事実俺も駆け出しだった頃はチビったからな。」
「そんなに恐ろしいやつがいるのかい?」
「聞くな聞くな。後になって思い出すだけでも恥ずかしい。」
「仕方ないなあ…。すいません、何か知らないですか?」
と、セージは質問の対象をガイルから近くに居た太刀使い―――レオに話を聞いた。
「ドール渓谷の生息モンスターですか…。いろいろいますよ。
例えば、鳥竜種のドスジャギィとか
牙獣種のアオアシラとか
それと、牙竜種のジンオウガとかですね。」
「ジンオウガって、あの加工屋のおじいさんの言っていたジンオウガかい?」
「ええ、なんでも近年マゼラティア地方発見と同時に『狩りに生きる』の地質調査員が発見したらしいんです。
詳しい生態は今のところ調査中なんですが、すでにハンターの間でも噂になってるんですよ。」
「ふぅん。それは一度でも狩ってみたいね。」
「やめとけやめとけ。ラオシャンロンに潰されに行くみたいなもんだ。」
期待に踊るセージをガイルは冷たくあしらった。
そんな最中急に天候が悪くなりだした。
「なんだ?急に曇ってきやがったな…。」
空は急速に暗くなり、やがて小雨が降り出した。
「ついてないなぁ…。ん?」
セージがユクモ村で買ったお土産用雨傘を頭にかぶっている時、
「なっ、なんだっ!?目の前に急にモンスターがっ!」
ガイルが焦って荷車の進行方向を変えた。
アプトノスはガイルの指示に従って速やかに進行方向を変える。
だが、その者の姿はガイル達の目に焼きついた。
「アイツは…?」
頭部に生えた黄金色の二本角、鮮緑色の鱗、そして白く逆立った体毛、何より特徴的な物が
「アイツの背中に雷光虫がいるぞ!」
まるでそのモンスターの背中を巣にしているかのような雷光虫の群れ。その数や百はくだらなかった。
そしてそのモンスターは更に周囲の雷光虫を呼び込んだ。
「雷光虫を集めている!?」
「いったん逃げるぞ!」
ガイルが縄を勢いよく張った。
アプトノスが音と痛みに驚き速度を上げた。
ガイル達の後方に居たモンスターは雷光虫に刺激されたか、飛竜種のそれに劣るものの、咆哮をあげた。
「あれが、ジンオウガ。雷狼竜ジンオウガ。ユクモ村専属のハンターはアイツを"無双の狩人"と呼ぶらしいんだ。」
「無双の狩人…雷狼竜ジンオウガか。」
セージは身震いした。
「ますます狩ってみたくなった!」
だが、逆に闘志に火がついたようだ。
「急いで災厄を終わらせてアイツ狩りに行こう、父
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