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カンピオーネ!5人”の”神殺し
締まらない人々
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けるつもりで勝負に挑むのだ?私がここに来た時点で、君の敗北は決定しているのだよ。私は【冥王(プルートー)】。ジョン・プルートー・スミス。君たちまつろわぬ神を調伏し、民を守る冥王なのだから!」

 護堂とクトゥグアが戦闘を始めたのと数時間ズレて、アメリカでも戦いが始まっていたのだった。






『鈴蘭。アメリカの【冥王】から、”こちらは自分で対処するので手出し無用”と伝言を受け取っているぞ。』

 護堂とクトゥグアの戦闘を見届けて一息ついていた鈴蘭に、翔輝から連絡が入る。それは、彼女にとっては都合が良いのか悪いのか、判断が付きにくい報告であった。

「え・・・狂気の権能については教えたよね?だとしたら、それが効かない権能があるのか・・・それとも、そんな権能が効力を及ぼさないうちに、速攻で倒す手段があるのか・・・。」

 誰も彼も、隠し玉の一つや二つは持っているものである。アメリカのカンピオーネ、【冥王】ジョン・プルートー・スミスは秘密主義で有名なので、狂気の権能に惑わされない手段を持っていても不思議ではない。

「もし大丈夫なら、ルリム・シャイコースも護堂君の代わりに戦ってくれると嬉しいんだけどなぁ。流石に、これ以上連戦させるのもどうかと思うし・・・。」

 今しがたクトゥグアとの戦闘を終えた護堂だが、彼は神殺しになってから一週間と経っていない新人だ。かかる負担も相当なものだろう。その点、ジョン・プルートー・スミスは十年以上も神殺しを続けているベテラン。鈴蘭が、彼に片付けてもらいたいと考えるのは当然のことだろう。

『それは結果次第だな。彼は既に戦闘を開始しているし、連絡を取れるのはしばらく後だろう。その時に狂気の権能を無効化出来るのか聞いてからじゃないと。』

「うーん・・・。やってくれると嬉しいんだけどねぇ・・・。」

 腕を組んで悩む鈴蘭に、それまで黙っていたみーこが声をかけた。

「のう鈴蘭や。」

「ん?どうしたのみーこさん。」

 彼女は首をかしげ、鈴蘭に尋ねる。

「あの小僧を出してやらなくていいのかの?」

「ん?今出すよ。」

 呑気に話している鈴蘭。だが、みーこはまたもや首をかしげる。

「悠長なことをやってるうちに、あやつ死ぬぞ?」

「・・・は?何を言って・・・。」

 そう言いながら隔離世の中を見る魔術を発動した鈴蘭。そこで彼女は見た。

「ちょ!?何やってるの護堂君!?」

 叫ぶと同時に、護堂を隔離世から排出する。そこにドサリと落ちたのは、クトゥグアと戦った以上の全身火傷で今にも死にそうな護堂であった。

「ど、どうして!?権能で無効化してるはず―――

「だから、『黒の戦士(アレ)』を使うと、権能が使えなくなるんじゃろ?
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