第六十話 束縛
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ンの母体であったロゴスが壊滅したことに別段何も感じていない。寧ろ、そういった組織からの束縛がなくなったことで気を楽にしてた。
最も、艦はいまだ健在であり、勝手気ままに行動することが出来ないので面倒だと思っている。
「決まっている。コーディネーターの排除だ。今すぐ戦力を整えてダイダロスを壊滅させた部隊を排除すべきだ」
「そうだぜ、あいつらミネルバとかいう奴なんだろ!だったら今すぐぶっ壊しに行くべきだっての!!」
エミリオはコーディネーターを抹殺すべきという意志から、アウルはスティングの仇という事からそれぞれダイダロスに向かうべきだと主張する。尤も、ミネルバは既にプラントに到着しており、ダイダロスには居ないのだが。ネオは二人の発言を聞いても現状の戦力不足や艦の損耗から考えてそれを諌める。
「今の俺達じゃ返り討ちにあうだけだっての。俺達は少数で補給もままならない状況だぜ?迂闊に動くわけにはいかんさ」
どの道、ロゴスが壊滅した時点でエクステンデットであるアウルはこのガーティ・ルー以外では調整を施すことが出来ないのだ。おそらくは探せばいくつか施設はあるのだろうが、ネオはそういった施設への繋がりを持っていない以上難しい。
「じゃあいつ出るっていうんだよ!」
「今は無理だろうが、機会は巡ってくる筈だ。その時までは大人しくしてるしかないな」
ロゴスが壊滅したとはいえ、連合がこのまま黙っている筈はないだろう。おそらくだが戦争終了のタイミングを計るために戦闘が最低でもあと一度は行われるはずだ。厄介者のファントムペインが生き残るにはそのタイミングでの介入しかないだろう。
「それが無かったときは――――俺達はどういう立場になるんだろうな……」
その介入する機会が無ければ確実にネオ達は詰みとなるだろう。その結果で、ネオ自身は自分が戦犯として処刑されても構わないと思っている。いや、実際に処刑されるのは嫌だが、自身の命一つで他のファントムペインの部隊が生き残るなら構わないと思っている。
(実際、そうなるのは難しいっていうか、ほぼ無理な話だろうがな……)
現実を直視しているネオは自分たちが爪弾きものであり、最早まともな方法で生き延びる方法はないことを理解していた。同じ連合に頼ろうにも彼らはこちらを嫌悪しており不可能、母体であるロゴスも既にない、民間企業もファントムペインに協力しようなんて変わり者はそうそう居るはずもない。
この八方塞がりとも言える状況で生き延びるには連合に価値のある存在だと売り込むか、悪行を働くかのどちらかだ。そして、ネオは他の選択肢が残っている中で自分から犯罪者になろうという気が起こることは流石になく、連合に対して売り込むために独自に行動し、漁夫の利を狙っていた。
◇
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