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カンピオーネ〜転生〜
〜前編〜
5話

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 目を覚ましてみたら見知らぬ景色が広がっていた。地平線の先まで灰色で、距離感が掴めなくなっていた。

「………何処だ、此処?」

「ここは、生と不死の境界。色々な言い方がされているのよね。ギリシアならイデアの世界。ペルシアならメーノーグね。」

 声がしたので目を開けてみると見知らぬ少女がいた。姿は十代半ば頃で、整った顔立ちをしている。体つきは細い。スレンダーな体型をしている少女であった。

「誰だ!」

「私はパンドラ。あなたは月読様を倒してカンピオーネとして転生したの。だから私のことお義母さんってよんでいいのよ!」

「は、はあ。」

原作を知ってるから神を殺したらこの人に会うのは知ってたし、倒して意識を失う前にこの人会うのを意識してたけど実際会うとなんていうか、うまく言葉に出来ないけどちょっと変な人(?)だと思う。

「あなたは知らないと思うけど、カンピオーネを生み出す転生の秘儀は、私の夫でプロメテウスの弟エピメテウスと私があらゆる災厄とわずかな希望をつめこんだ箱の中からみつけたの。プロメテウスの名の意味は、先に考える者。つまり先見の明がある賢者を指す。それに対して、エピメテウスは後で考える者。カンピオーネは『エピメテウスの落とし子』ともいうわ、だから私たちの子供っていうこと。わかった?」

「あ、はい。なんとか。」

まあ原作通りだなあー、と思って聞いていた。

「そ、まあここでのことは覚えてないだろうけどね。いい、海斗。カンピオーネになったあなたはこれから先、平穏な日々を送れないわ。それは覚悟しといて。それと、そう簡単に死なないでね。また、神を殺せば会えるからまたね!」

と言った瞬間俺の視界が光に覆われた。きずいたら、現実に戻ってきているようだ。
あれ?なんか頭の下が柔らかくないか?コンクリートに横たわってるはずなのに。と、そこまで考えたとき頭上から声がした。

「あ、気付いたんだ。おはよう!」

声の主は恵那だった。どうやら俺は恵那にひざ枕されているようだ。

「ちょっ恵那なにやってるんだよ!」

慌てて起き上がろうとするがすぐに恵那に抑えられてしまう。戦いの後だからだろうか力が入らない。正直女の子に力負けするなんて恥ずかしすぎる、

「ひざ枕だよ。気に入らなかった?海斗後が頑張ったからそのご褒美としてやってあげてるんだ!」

と言い恵那はニッコリと笑った。俺はその笑顔にドキッとしてしまった。恵那にそれが悟られないように気をつけることしか俺は出来なかった。


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