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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
覗き、ダメ、ゼッタイ
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覚えた事務室にノックして入ると、麗は多くの書類が山積みとなった机で判子を押したり、ペンを走らせたりしていた。しかしメイド服姿は変わらない。
そんな彼女に報告するとああ、と分かったのか分かっていないのかそんな返事を作業をしたままの体制で繰り出す。
「じゃ、じゃあ明さんとの散歩に行ってきますね。」
麗はさっきと同じ体制で生返事。そのまま敬礼してそこを立ち去る。
宏助はやはり最近覚えた明の自室にひた走る。ノックをすると中から「いいですよ〜。」という声。ドアを開けると・・・・、
・・・・・・下着姿の明が部屋の中央に座っていた。
「なにが『は〜い。』ですか!」
急いでドアを閉める。なんか彼女の艶かしい二の腕やら、背中やら肩やら腋やら太ももやらの肌色地帯を見てしまった気がする・・・・。
「す、すみません。いつも麗だったんでつい条件反射で・・・・。」
中から明のドモリ声が聞こえてくる。すみません・・・・といわれてもなぁ・・・・。と曖昧な気分になる宏助だが、すぐに首を振って否定。
その数分後、彼女は自室から出てきた。
はじめてあったときのような分厚い紺のコート。しかし、今日は紫のマフラーと白のフワフワとした耳当てをしていて、コートで得られる大人っぽい魅力を保ちつつ、あどけない子供のような部分もあるという矛盾。当然コートの一部が不自然に盛り上がっており、流れるように透き通った黒髪や、つぶらな瞳、小さい唇がそういった魅力をさらに押し上げる。
見とれないように気をつけながら、豪邸を出る。閉じたようにピッタリとくっついてる豪邸を囲む住宅街の壁の一角が開き、宏助達の通る道をつくる。来たときほどではないにしろ、住宅から発せられるSPのものであろう敵意はまだある。
そんな中を抜けて、宏助達は外へ。住宅街を抜けて、近くの川岸まで歩く。川辺を歩きながらふと川を見ると冷たそうだ。北風が宏助達にまふら吹きつける。やはりマフラーや耳当てをしている明も寒そうだ。息は当然白い。
「・・・・・寒そうですね。」
宏助はつい言ってしまう。分かっていた。それを言ってしまえば優しい彼女がなんていってしまうか。でも言わずにはいられなかった。それが自分の欲しいものだったから。
案の定彼女は言ってしまう。
「そうですね・・・・。宏助さんはどうですか・・・?」
しかし、そこで明は自分の間違いに気づき、アッと、口を塞ぐ。しばしの気まずい沈黙。
「・・・・・す、すみません・・・・。」
「いや・・・・いいんですよ・・・別に。」
そう言ったものの彼女の落ち込み俯いた暗鬱な表情を見ると自分まで切なくなってくる。
そうやってしばらく静かなまま川沿いの道路を歩くこと数分、急に宏助の首に布が当たる。
「・・・・んん!?」
その布は更に宏助の首に巻きつく。そして、最終的にそれは、その紫色の
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