第二章 [ 神 鳴 ]
十七話 王の使い
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い。では国である以上そこを治める主、つまり王がいるというのも理解できますな。この国の王の名が洩矢諏訪子様です」
「…………おお!!」
「ちなみに“常識”ですぞ」
最後にそんな嫌味を言われてしまった。
「こほん、それで王に仕えている君が何故僕の所に?」
「無理矢理話題変えてるし」
そんな事言ってはダメだよ紫。
「……諏訪子様が神狩様と一度お会いしたいと云う旨を預かってまいりました。お手数ですが都までご同行願えませんか?」
少しばかり冷たくなった視線を向けながら僕に用件を伝えてきた。一度会いたいね……どうしようかな。
「それって断ってもいいの?」
僕としては軽い気持ちで言ったのだが事態は予想外の展開を見せた。
「な!何を言ってるんです!「馬鹿な事を!「断るって「良い訳が「何を考えて!「すぐに行って「畏れ多い事を「バーカバーカ
村長をはじめその場に居た村人達からも怒られた。ちなみに最後の台詞は紫である。
たしかに王様に対して失礼かもしれないけどそこまで怒らなくてもいいのに。この状況に少し面食らっていた僕に岩さんが話しかけてくる。
「皆の者落ち着きなさい。七枷殿は諏訪子様の名前すら知らなかったですから諏訪子様が何の神かもご存知ないでしょう」
「うん、知らない」
そう言うと岩さんが説明してくれた。
「諏訪子様のその格の高さは周辺諸国に類を見ないほどで土着神の頂点とまで謳われております。そして神格は祟り神なのです」
祟り神か。なるほどね。えーと確か御霊信仰だったっけ?恩恵にも災厄にもなる神。土着神の頂点って言われてる祟り神、そりゃ普通の人は恐いよね。
「ここで僕がその諏訪子の用件を断ったりしたら村が祟られちゃう訳か」
それなら皆があんなに怒ったのも納得がいく。だけどそんな僕の発言に反論の声が上がった。
「諏訪子様はそのような理由で祟ったりなどしません!!!」
楓だった。怒りの篭った視線で僕を睨み付けていた。どうやら彼女の逆鱗に触れたらしい。
「ごめんね、今のは全面的に僕が悪かった」
よく知りもせず軽い発言だったしきちんと謝罪しておこう。
「い、いえこちらこそ声を荒げてしまい申し訳ございません」
「それよりお父様、何か断る理由でもあったの?」
「いや?何も無いよ。ただ少し面倒だなーって」
紫の質問に正直に返したら何故か皆の視線が冷たくなった。
「……村長さん、この方はいつもこの様な感じなのですか?」
「いえ、いつもは……いつもは……すみませんこんな感じでした」
なにやら楓と村長が話しているけど、まぁ置いといて
「それじゃ行こうか、諏訪子の所に。行くなら早くしない
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