第一部「吉良吉影は眠れない」
第一話「私の名は吉良吉影」
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しくないのか?今時リーゼントなんて古臭い。時代に置いていかれた原人そのものだ。それになんだ?ジョウスケという名が気に入らない。むしろ腹が立つ。なぜだ。彼とは面識も一切ないはずなのに、とても嫌な感じがする。
「今日はいつもより気分が悪いな。うぅ・・・」
いろいろなことを考えているうちに学校は見えてきた。暇つぶしになった。それだけでもまだいいほうだな。
ドカッ!!
目を伏せていたせいか前が見えていなかった。なんだ?ぶつかった?何に?
「おいこら、何ぶつかっとんじゃ!! お〜ぉ〜。どうしてくれるんだよ!?ぁあ!?服にシミが着いちまったじゃねえか!!」
はぁ・・・また面倒事になっている。またか・・・私はいつもこうよく絡まれるものだ。いい加減にして欲しいものだ・・・。争いは好んでいないからね。
「おい、なんだぁ?シカトかァ!?ぇえ?なんか言ってみたらどうだ?謝罪のひとつも言えねえのか?ぁあ?」
「失せろ。」
「ぁ?なんつった?テメェ誰に口聞いてんだ?ちょっとツラかせや!!」
私は無性に腹が立った。なぜだと思う?そこの大柄の不良が私の大事にしているネクタイを引っ張っている。許さない。
「野郎ォーーーーーーーー!!」
私は思い切り、右足を蹴り上げた。その蹴りは見事にその不良生徒の顔面に命中する。
「うげぁあああああああ!!」
「はぁ・・・大丈夫かい?ドクロ君、傷はないかい?フフフ…。」
お気に入りのネクタイに外傷がないというだけで私はそのネクタイを丁重に撫でる。それもいつも以上に。
「テメェ・・・よくも俺の鼻をへし折りやがったなぁ!!テメェ・・・名を名乗れ・・・殺す前に聞いておいてやる。」
その不良少年はひどく荒れている。自分の顔を傷つけられ激昂している。しかし私に関係など微塵もない。私はこのネクタイを乱暴に扱おうとしたこの男に思い知らせてやる。それだけだ。
「名を名乗れ・・・か・・・いい気になるのも大概にしろ。私はいったはずだ、失せろ。と・・・。
さもなければ私がこのネクタイに対しての怒りを貴様の体にぶつけさせてもらうことになるが?」
「うるせぇなぁ!!その古くせえネクタイなんか知らねえんだよ。俺が知りてえのはテメェの名だけなんだよ!!いいから俺の質問にだけ答えろや!!ダボが!!」
「・・・・・・・・・。今・・・なんと言った?」
もう許されない。彼は踏み入れてしまった。私の領域に足を踏み入れるものは誰ひとりとして許さない。
「ぁあ!?なんだって?聞こえねえなぁ?もっと大きな声で言えよ。」
「今・・・貴様はなんといった!!」
珍しく怒りをあらわにしてしまった。はぁ・・・これだから頭の悪い不良は嫌いだ。この世から消えてしまえばいい
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