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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第10話:ハラオウン家の兄妹
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ずきょとんとしていた。

(ハラオウンのことは後だな・・・)

グライフは心の中でそう呟き、クロノの方に目を向けた。
目が合うと、クロノが小さく頷きグライフも無言で頷き返す。
そしてグライフはゲオルグとヒルベルトの方に向き直った。

「こちらは本局運用部のクロノ・ハラオウン執務官だ。
 1カ月前のあの件についてハラオウンを介して調査を頼んでいたのだが、
 容疑者とその居場所について有力な情報を入手したので説明に来てもらった。
 では、ハラオウン執務官」

クロノはグライフに向かって頷くと、隣り合って座るゲオルグとヒルベルトに
顔を向ける。

「クロノ・ハラオウンです。
 グライフ艦長とミュンツァー1尉、フェイトにはすでに話したことなので
 要点だけをお話させてもらいます」

それから10分ほどかけて、クロノが要点をまとめた説明をした。
その間、ゲオルグとヒルベルトは真剣な表情でクロノの話に聞き入っていた。
やがてクロノの話が終わり、しばしの沈黙の後でヒルベルトが口を開く。

「それで俺とゲオルグが呼ばれたのは、この廃工場の探索をウチの魔導師隊で
 やるからですよね?」

「そうだ。 ハラオウン執務官には本局へ戻り次第、作戦行動に対する
 上層部の認可と廃工場の情報を得てもらうことになっている。
 お前たち2名にはミュンツァーと協力して作戦計画を立案してもらいたい」

「了解です」

ゲオルグとヒルベルトは声をそろえて返事をする。

「他に質問はあるか?」

グライフはそう言って部屋の中にいる面々の顔を見回す。
しばらく待って誰も発言しないことから、グライフはテーブルに手をついて
席から立ち上がった。

「ではこれで散会とする。 ご苦労だった」

その言葉を受けて他の5人が一斉に立ち上がる。
クロノはグライフに続いて部屋を去り、残された4人はその背中を見送った。

「ヒルベルトとシュミットは行ってよし。
 ハラオウン執務官から情報が届き次第呼ぶ。
 ハラオウン、お前は少し残れ」

ゲオルグはヒルベルトと顔を見合わせてから、ミュンツァーに向かって敬礼すると
揃って会議室を出た。
通路に出た2人は会議室の中の雰囲気について話しはじめた。

「なにがあったんでしょうね?」

「さあ、わからん。 何かあったのは間違いないと思うんだけどな」

通路を並んで歩く2人は通路の先に数人のA分隊員を見つけ口をつぐむ。
隊員たちが敬礼し、ゲオルグとヒルベルトも少しくずした敬礼で返礼した。
すれ違ったあと、隊員たちとの距離が十分開いたところで、彼らは話を再開する。

「フェイトの顔見ました?」

ゲオルグの問いかけにヒルベルトは頷く。

「チラっとだけ
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