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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
外伝
外伝1:フェイト編
第10話:ハラオウン家の兄妹
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長、グライフ提督。
シャングリラの魔導師隊隊長、ミュンツァー1尉。
シャングリラ付きの新任執務官、フェイト。
そして、本局運用部所属の執務官、クロノ。

4人は全員が硬い表情で黙りこくっていた。
会議室の中は静まり返り、つばを飲み込む音が響くほどだった。
数分間その状態が続いたのち、クロノが静かに話し始めた。

「先日、ミュンツァー1尉とフェイトから相談を受けた件について、
 知人の協力も得て調査してきました。
 その結果、あの研究所で違法なクローン製造を手掛けていた人間と
 現在の居場所について有力な情報を入手しました」

クロノの言葉にほかの3人は緊張した表情を浮かべる。
そんな3人の顔をひとりひとり順番に眺めていくと、
クロノは会議室のスクリーンにある男の顔写真を映し出した。
男の顔は青白く血色の悪い色で、こけた頬は骸骨のような印象を与える。

「この男の名前は、ウェルナー・エメロードといいます。
 ミッドチルダの出身でクラナガン中央総合大学で生物学の博士号を取得し、
 ある企業でクローン技術による家畜の生産に関する研究を行っていた研究者です。
 ところが、禁じられた人間のクローン製造を行ったことが判明し
 管理局が拘束しようとしましたが行方をくらませています」

クロノは一旦話を止めると、手元の水をひと口飲んでさらに続ける。

「研究所で発見された実験データの中に、当時のエメロードが使用していた施設で
 発見されたものと全く同じデータを発見しました。
 これをきっかけに彼に行きついたわけですが、計数百時間に及ぶ研究所の
 監視カメラの映像の中に、エメロードが映っていることを確認。
 また、あなたがたが救出した女性事務員から彼があの研究所で
 研究に従事していたという証言も得ています。
 以上の事実から、あの研究所で行われていることに彼が関わっているものと
 判断しました」

クロノがそこで話を終えると、グライフとミュンツァーは小さく唸り声を上げる。
フェイトは目を見開いて画面に映るエメロードの写真を見つめていた。
1分ほど無言の時間が流れ、クロノが先を続けようとしたときにミュンツァーが
口を開いた。

「2つほど質問があります。
 1つは、現状固められている証拠だけで身柄の確保が可能か。
 もう1つは、なぜ既に犯罪者として手配されているエメロードが、
 管理局の研究施設に出入りできたのかです」

ミュンツァーの質問を黙って聞いていたクロノは、一拍置いて答え始める。

「まず、1つ目の質問についてですが、現状の証拠では今回の研究所における
 殺人・公務執行妨害などの容疑で拘束するのは難しいですね。
 ですが、過去のクローン製造については可能です。
 こ
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