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男子校×全寮制=薔薇がさく
第壱章 【転入編】
男子校×全寮制=薔薇がさく 【第一話】
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した。楽しかったです」
そう言ってこちらを見上げる伊吹に、思わず触りたくなったが理性でなんとか押し殺す。
「良かったら、また寮長室に遊びにきてね。お菓子でも用意しとくから」
「はい。じゃあ、また今度...」
部屋に入っていく伊吹に手を振りながら、また来た道を戻る。

〔...ケーキでも常備しておくか〕

______________________


{side 同室者}

ガチャっと玄関から、鍵をとおす音がきこえた。
そういえば、今日は新しい転入生と同室になるんだった。

〔お願いだから、ビン底眼鏡ともっさもさの(かつら)だけは止めてくれよ〕
同室者=椎名(しいな)日向(ひなた)は、可愛い顔を嫌悪感で歪めた。
四月・入学式と同時に新しく転校してきた男の顔を思い出して「うえぇ」と舌を出した。

海外に仕事へ行っている理事長から、同室者に学園説明をしてくれと言われたので、寝転んでいたベッドから降りると自室を出る。

「「あ」」

目が合った瞬間、椎名は目を輝かせた。
〔ぜんぜんビン底眼鏡じゃない!もさもさ鬘じゃない!ってか可愛い!!〕
伊吹は伊吹で、ブロンドヘアーで天使のような見た目の椎名に
〔天使みたいや!めっちゃ可愛い!〕
 と、両者とも興奮していた。


二人が落ち着いたところでリビングに移動した。
「はじめまして、僕は椎名日向。椎名さんとか呼ばれるの嫌いだから、好きに呼んでね」
「じゃあ、しいちゃん!」
キラキラした目で即答する伊吹に、ぷっと笑う。
「あ、俺は朝比奈伊吹っていうねん。よろしく」
「じゃあ伊吹ね。関西人なの?」



それから話し込み始めた二人は、すっかり仲良くなった。
伊吹は、可愛い見た目に反して結構男前の椎名に悶え(←かわいい子好き)、椎名は伊吹の無邪気さにすっかり絆されていた。
「しいちゃんの髪の毛めっちゃ綺麗やなぁ。かわいいわぁ」
そう言いながら椎名の頭をさわっている。
「そう言う伊吹のが可愛いよ?目ぱっちりしてるし、まつげもくるんくるんじゃん」
そう言い返して伊吹の目元をなでる。
------すっかり、小動物のじゃれあいになっていた。

「あ!理事長に学園説明をまかされてたんだ! ちょうど夕食時だし、食堂で話すよ」
「わかった。じゃあ着替えななぁ」

数分後、伊吹の和服姿を見て呆然とすることを椎名はまだ知らない。

                                  【第一話】end
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