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「メールで怪談云々とか言ってたのは知ってる。が、どうしてこんなとこに来た?」
「い、いや! オレは止めとこうって言ったんだよ!? マジここらヤバいし!」
伊織が真っ先に言い訳を始める。
いや、実際そうなのだろう。
彼のような人間は上手く危険を避けられる嗅覚を持っている。
だったら――――
「岳羽、か? 連れて来たのは」
岳羽がここに来るのは知っていた。
と言うより俺がここに来た理由の一つが彼女が厄介ごとに巻き込まれないためにだ。
善意ではなく、ペルソナ使いが変なことで欠けないようにとの打算だが。
「う……そ、そうよ」
「軽率だったなぁオイ。伊織の俺の名前出すって判断は良かったが……」
未だにスクワットをしている連中に視線を向ける。
怯えのままに目を逸らすが、それでもここからは動けていない。
滑稽極まりないとはこのことだ。
「生憎、ここらの連中には通じないんだわ。別に俺の名前も万能ってわけじゃないのよ。なあ?」
「ひぎ……!?」
椅子である男の腰に拳を落とす。
「…………ご、ごめん」
「俺じゃなくて伊織に謝ってやんな。一応アイツが止めたのを振り切って巻き込んだんだろ?」
「……そうね。ごめん順平、怪我とかない?」
「うえ!? た、タハハ! 別に気にするこたねえよ。これぐらい男の勲章ってやつじゃん?」
「かーっくいいねえ伊織。ほら、お前らも見習って根性出せや。何人か膝震えてんぞ!」
スクワットマン共だが……まあ、足くらいにはなるかな?
本格的なのは無理だとしても、噂の裏付けをするくらいならば使えそうだ。
「で、話を戻すが、怪談調べてるんだろ? なのに何だってオカルトのオの字もねえとこに来たのさ」
「えっと……裏瀬くんは怪談について知ってる?」
「いや知らん。そんなもん調べる暇なんてなかったしな」
女子生徒が月学の校門で倒れてたとか倒れてないとか?
正直な話をすればメールで触りを聞いた程度だ。
「実は――――」
公子が掻い摘んで説明をしてくれる。
聞いていて思ったのだが……何故桐条や真田は岳羽を煽ったんだ?
何かがあるかもしれないと思ったのならば、桐条の力を使えばいいだろうに。
前々から思っていたが、あの御嬢様は権力をあまり使ってないように思える。
最低限の力くらいは振るえるはずなのに。
「とまあそう言うわけで、その子と仲良かった人に話を聞こうと思って来たの」
「成る程ねえ……アグレッシブだねキミら」
呆れるほどに行動力がある。
まあ、ここのことをよく知らないようだし、無謀と言うのが正しいか。
「さて、となると……コイツらに話を聞けばいいんだが……」
舐めるように視線を這
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