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足りなかったみたいだ。
どうせならまとめて輪姦してやった方がよかったかもしれない。
「裏瀬は山岸さんの知り合いなの?」
「幼馴染だ。おいおい、こりゃ怪談じゃなかったのか? 行方不明とか、刑事事件だろう」
と言うか生徒が行方不明になったってのに何で公子らは知らない?
学校に行ってない俺はともかく、普通噂の一つ二つ耳に入っていてもおかしくないはずだ。
「岳羽、お前らもコレは初耳か?」
「う、うん……つかE組の担任って江古田でしょ? アイツ、このこと知ってんのかな……」
イジメられる前から風花は欠席が多かった、イジメがあった、俺がそれを止めた。
けれども俺を舐めてた馬鹿共が、裏瀬なんぞ恐れるに足らずと舐めたことをして風花は行方不明に。
そして江古田は保身に走るタイプの人間、風花の両親は成績を重視するタイプ。
――――総てのピースが噛み合った。
「……江古田が、やってくれるじゃないか」
行方不明の話は江古田で止まっていたのだろう。
奴は風花の両親に、ことを波立てないようにと詭弁を弄して押し黙らせて病欠にした。
両親には風花が見つかったら成績の面で便宜を図るとでも言いくるめたであろうことは予想出来る。
元々欠席がちだったのだから怪しむ奴もいない。
「荒垣、情報提供感謝するぜ」
「構わねえよ。それより、そいつら連れてとっとと帰りな」
「分かってる。ほら、行こうぜ」
「え、ちょ……えーっと荒垣先輩、ありがとう御座います!」
公子が礼を言う声が遠くに聞こえる。
完全に火が点いたせいだろう。
これは俺の手抜かりだ。
持ちつ持たれつ、そう言って俺は風花に借りを返したと思っていた。
だが、俺が甘かったばかりにアイツをこんな目に遭わせてしまった。
莫大な借りを作ってしまった、まったく情けないにも程がある。
「ちょっと裏瀬、アンタ凄い怖い顔してるわよ?」
岳羽の気遣うような声が耳に届く。
…………確かに俺は幼馴染として風花に多少の情がある。
そして、俺のミスでアイツを危険に晒してしまった馬鹿な俺自身への怒りもある。
感情を抑えろと言うのは無理な話だ。
「そいつは失敬。それと岳羽――いや、公子ちゃんらにも言っておこうか」
気を静めるために煙草を咥え一息。
「この件、後は俺がカタをつける。つーわけで大人しく帰りな。桐条らにもそう言っておけ」
「ちょ……な、何する気なんだよ?」
「関わらなきゃ迷惑はかけない。まあ、キッチリ終わらせるから気にせんでくれ」
「待って待って! 幼馴染だから心配なのは分かるけど何も裏瀬くん一人で――――」
言うべきことは言った、なのでこれ以上の問答は不要。
携帯を取り出して今すぐ迎えに
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