暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第45話 思い出の丘
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 そして、赤レンガの街道を只管進み、小川にかかった小さな橋を超え。

 とうとう目的地へと到着した。

「あれが《思い出の丘》だよ」

 キリトが指をさして、シリカに伝えた。
 
 その言葉を聞いて、更にシリカは笑顔になる。目的の場所についたから。待ちに待った光景だったから。

(――…ここが……ピナを助ける為に必要なアイテムがある場所……)

 シリカは、改めてその思い出の丘の全体を見た。

「見たところ……分かれ道は無いみたいですね?」

 《思い出の丘》の道中を簡単に見たシリカはそう聞く。直線上、とまではいかないが、一本道がずっと丘の上に向かって続いているから。

「ああ、ここからはほぼ一本道ただ登るだけだ。だが、モンスターの数だけは多いから気をつけろよ」

 リュウキは、肩に片手剣を担ぎそう言う。一本の道だからこそ 左右に挟まれてしまう場面に遭遇してしまう危険性が高いのだ。

「はいっ!」

 『本当にもう直ぐ……もう直ぐピナを救える。本当に』その思いがシリカの歩く速度を自然と速くさせていた。

 思い出の丘にもある鮮やかな花道を、色とりどりの花が咲き乱れる登り道に踏む込む。

 その先は、リュウキが言うとおりだった。モンスターのエンカウント率が上昇していたのだ。挟まれるだけでなく、四方八方囲まれることも多かった。
 これまでは、基本的に前方ばかり。挟み撃ちもあったが、それ以上の敵数だった。
 だから、シリカは慌てたけれど。

「大丈夫だ」
「ああ」

 リュウキとキリトがシリカにそう言うと、その後は殆ど一瞬だった。2人は一瞬で、無数のモンスター達の行動を削いだのだ。
 脚部分を破壊し、動けない状態にする。そして、トドメをシリカに任せる。効率よく進め、かつ経験値も得る事が出来る、想像以上のエンカウントにも驚いたが、2人の実力も想像以上だった。

 表現するとすれば、《底が見えない》。

 その言葉は、よくアニメなんかで聞くけれど。どう言う意味なのか 本当によく判った。その攻撃は本当に赤子を捻るかのように軽やかで、それでいてモンスターに与える衝撃は想像以上なのだ。
 
 それに、初めて会ったとき、あの層最強種のドラゴンエイプをまるで問題にしなかった。シリカは、その時から2人はかなりハイレベルだってわかってた。そして、この場所はあの場所より12層も上だ。
 それなのに、全く余裕の様に見える。

 そう、あの時のように。

 だけど、同時に疑問も生まれていた。

(お2人は……なんでそんなハイレベルなのに35層あたりに……?)

 その事なのだ。レベルに見あった層を主戦場にするのが普通だ。
 もしくは、その層にはレアモンスターが出現する……などと言う
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