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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第1話:ハイジャック事件
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に出たゲオルグが、一番前に座っている2人の分隊長に
目線を送ると、2人は立ち上がってゲオルグの側に寄ってくる。
2人が側に来たことを確認したゲオルグは、1つの通信ウィンドウを開く。
そこには茶色い制服を着た男が立っていた。

「本局テロ対策室直属、特殊陸戦隊の部隊長のシュミット2佐です。
 テロ対策室長のハラオウン少将からの命により、そちらで発生している
 乗っ取り事件の鎮圧にあたることになりました。
 ついては現在の状況について情報を頂きたい」

ゲオルグがそう言うと、画面の中の男は余裕のない表情で頷く。

『自分はミッドチルダ次元港警備司令、ウォルフ2佐です。
 そちらが出動されることは先ほど少将より連絡を受けました。
 必要なら情報だけでなく装備などの援助も可能です。
 必要なものがあれば何でも言ってください』

「ありがとうございます。 必要になれば遠慮なく甘えさせていただきます。
 で、早速で申し訳ありませんがそちらで実行された突入作戦の概要と
 現在の状況を教えて頂けませんか?」

ゲオルグは微笑を浮かべて言う。
一方、ウォルフの表情は硬かった。

『判りました』

ウォルフは一旦言葉を止めて咳払いをすると話をはじめた。

『我々は総勢15名の部隊を2つに分けて次元航行船の前後から挟撃する形で
 船内へ突入する計画でした。
 もちろん、さまざまなセンサや船長と次元港の管制官の交信音声から
 船内および周辺の状況についての情報収集をしたうえでのことです。
 結果、乗っ取り犯は船内にのみ居て、その数は5ないし10との結論を得ました。
 その結果、15名という突入部隊の規模と前後挟撃という作戦を決めたのです』

「管理局のマニュアル通りですね」

『そうです。ですが突入作戦の開始直前に我が方の隊員たちが
 次々と倒れ始め、撤退するのがやっとでした』

ウォルフはそう言うと、申し訳なさそうに目線を落とす。

「何があったんです?」

ゲオルグの問いかけに対しウォルフは首を横に振った。

『正確なところは判りません。ですが、私が思うに狙撃されたのではないかと』

「狙撃・・・ですか? ですが乗っ取り犯が狙撃するとは考えにくいのですが」

『あなたの言うことは判ります。 ですが、部隊を配置につかせる前に
 次元港の敷地内については入念にスキャンしましたし、映像を見て頂ければ
 判ると思いますが乗っ取り犯が立てこもっている次元航行船の中から
 外に向かってなんらかの攻撃をした形跡もないんです。
 遠距離からの狙撃としか考えられません』

強い口調で断定するウォルフの言葉にゲオルグは頷けず、軽く手を上げる。

「待ってください。 魔法攻撃なら隔壁で
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