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て、ことによっちゃ恋人同士になってたかもしれない。
そんな、日本中どこにでも溢れてる青春を送っていたのだろうか?
「何、簡単なこった――――意味を求めなきゃいい」
「はい?」
思わず間抜けな声を漏らしてしまう。
「無為に生きて、んで無為に死んでいく。それが人間で、それで十分なんだよ。
命に意味なんざねえし、答えの出ない問いから目を逸らして楽な方に逃げても誰も怒りゃしない。
いいか? 命の答えなんてものがあるとして、もしも辿り着いちまったら――――そいつはもう人間じゃねえ」
ああ、つまりはこう言うことか。
「妥協、か」
「そうさ。手前の逃げ道を塞いでんのは何時だって己。自分に折り合いつけりゃそれで終いだ」
「核心を突くなぁオイ」
「それが出来ねえからお前は上手く生きれないのさ」
年寄りの戯言、酔っぱらいの妄言、そう切り捨てろと無達は締めくくった。
「真面目に坊主やってりゃ第二の仏陀も夢じゃねえかもよ?」
「ケッ、生憎とその席は56億年後に別の奴が予約入れてんのさ」
末法の世に顕現すると言う弥勒菩薩だったか?
坊主らしい物言いっちゃ物言いだが……やっぱりコイツは色々と型破りだ。
「そうかいそうかい。じゃ、俺は寝るから……またな」
一階に降りて奥へと歩を進める。
ここ最近、桐条関連の調査をしていたせいで寝不足なのだ。
忌々しいことに流石は天下の大財閥、まるで尻尾を掴めず成果はゼロ。
小学生でもまだまだ寝ない時間帯だが……不貞寝がてらこのまま寝てしまおう。
「失礼しゃーっす」
ソファーに身体を横たえ、目を瞑る寸前で呑気な声が響く。
「……んだよ」
「いやぁ、一応耳に入れといた方がいいかなって思いましてね? ほら、裏瀬さん月学の子に俺んこと言ったんしょ?」
「? あー……そう言えば伝えたっけか」
怪談だか何だかを調べるとか調べないとかで、だったらコイツを使えばいいと言った覚えがある。
末端に指示を出すのはコイツに一任してあるから、怪談程度ならばちゃんと調べてくれるだろう。
「その関係で昨日が集めた情報の報告会らしかったんすわ。で、今日辺り……」
「辺り?」
「まあ、ポロニアンモールの溜まり場に行くとか言ってたんすわ」
「はぁ? んでそんなとこに?」
怪談を調べていて、何だってあんなヤンキーの溜まり場に行くと言うのだ。
「で、どうします? 一応あの辺りに何人か配置してますけど」
「引き揚げさせろ。俺が直接行く」
「裏瀬さんが?」
「ああ、分かるだろ?」
あそこらの連中の中には俺の名前を出しても通じない人間が居る。
と言うより、効力が薄れているのだ。
裏瀬って名前が何だって跳ねっ返りが居
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