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剣の丘に花は咲く 
第二章 風のアルビオン
第二話 婚約者と決闘
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ドはニヤリと笑いながら言った。

「ああ、君はアルビオンに行ったことがないのか。ならば自分の目で確かめたほうがいい。明日になれば直ぐに分かる。今日は早く寝たらどうだい」
 
 そう言うと、ワルドは鍵束を机の上に置いた。

「人部屋に二人だ。女性と男性で分かれて使ってくれ」
「ルイズはどうするの?」

 キュルケが疑問の声を上げると、ワルドはルイズの肩に手を置いて言った。

「僕とルイズは同室だ」

 キュルケたちはギョッとなってワルドの方を向いた。
 
「婚約者だからな。当然だろう?」

 ルイズがはっとして、ワルドを見る。

「そ、そんな、ダメよ! まだ、わたしたち結婚してるわけじゃ―――」
「大事な話があるんだ。二人っきりで話したい」
 
 ワルドは首を振るとルイズを見つめて言う。その光景を睨みつけるように見ていた士郎は、ルイズ達に声をかける。

「それが理由なら、一緒の部屋に泊まらなくてもいいだろう。ミスタ・ワルドはギーシュと泊まればいい。俺は見張りで外にいる。ルイズは残りの部屋を使ってくれ」
 
 士郎の言葉に一瞬むっとした顔をしたワルドだが、すぐに顔を笑顔にすると、士郎に笑いかける。

「ハハッ、確かにそうだね。……それじゃあルイズ、話をしたいから部屋に行こう」
 
 そう言って歩き出したワルドの背中を、士郎は細めた目で睨みつけていた。
 
 



 ルイズとワルドが入った部屋は、貴族が泊まるだけあって上等な部屋であった。誰の趣味なのか、ベッドは天蓋付きの大きなものであり、高そうなレースの飾りがある。
 テーブルに座ったワルドは、ワインの栓を抜いて2つの陶器のグラスに注ぐと、ルイズに笑いかけた。
 
「君も一緒に一杯やろう」

 ルイズがテーブルにつくと、二人はワインの注がれたグラスを持ち上げて、杯をカチンとあわせた。 
「それでだがルイズ。姫殿下から預かった手紙は、きちんと持っているかい」
 
 ルイズはポケットの上から、アンリエッタから預かった封筒を押さえて頷く。

 いったい、どんな内容なんだろう……そう言えばあの姫さまの顔。確か二人は昔一緒に過ごしたことがあると聞いたことが……もしかしたら……。

 ルイズが考えごとをしていると、興味深そうにワルドが覗き込んできた。

「どうしたんだい? ああ、心配なんだね。無事にアルビオンのウェールズ皇太子から、姫殿下の手紙を取り戻せるのかどうか」
「そう、そうね……心配だわ」

 ルイズは可愛らしい眉をへの字に曲げる。

「大丈夫だよ。きっとうまくいく。なにせ、僕がついているんだから」
「ふふ、そうね。あなたは昔から頼もしかったから。それで、話ってこのこと?」

 ルイズから顔を離したワ
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