第二章 風のアルビオン
第二話 婚約者と決闘
[8/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ドはニヤリと笑いながら言った。
「ああ、君はアルビオンに行ったことがないのか。ならば自分の目で確かめたほうがいい。明日になれば直ぐに分かる。今日は早く寝たらどうだい」
そう言うと、ワルドは鍵束を机の上に置いた。
「人部屋に二人だ。女性と男性で分かれて使ってくれ」
「ルイズはどうするの?」
キュルケが疑問の声を上げると、ワルドはルイズの肩に手を置いて言った。
「僕とルイズは同室だ」
キュルケたちはギョッとなってワルドの方を向いた。
「婚約者だからな。当然だろう?」
ルイズがはっとして、ワルドを見る。
「そ、そんな、ダメよ! まだ、わたしたち結婚してるわけじゃ―――」
「大事な話があるんだ。二人っきりで話したい」
ワルドは首を振るとルイズを見つめて言う。その光景を睨みつけるように見ていた士郎は、ルイズ達に声をかける。
「それが理由なら、一緒の部屋に泊まらなくてもいいだろう。ミスタ・ワルドはギーシュと泊まればいい。俺は見張りで外にいる。ルイズは残りの部屋を使ってくれ」
士郎の言葉に一瞬むっとした顔をしたワルドだが、すぐに顔を笑顔にすると、士郎に笑いかける。
「ハハッ、確かにそうだね。……それじゃあルイズ、話をしたいから部屋に行こう」
そう言って歩き出したワルドの背中を、士郎は細めた目で睨みつけていた。
ルイズとワルドが入った部屋は、貴族が泊まるだけあって上等な部屋であった。誰の趣味なのか、ベッドは天蓋付きの大きなものであり、高そうなレースの飾りがある。
テーブルに座ったワルドは、ワインの栓を抜いて2つの陶器のグラスに注ぐと、ルイズに笑いかけた。
「君も一緒に一杯やろう」
ルイズがテーブルにつくと、二人はワインの注がれたグラスを持ち上げて、杯をカチンとあわせた。
「それでだがルイズ。姫殿下から預かった手紙は、きちんと持っているかい」
ルイズはポケットの上から、アンリエッタから預かった封筒を押さえて頷く。
いったい、どんな内容なんだろう……そう言えばあの姫さまの顔。確か二人は昔一緒に過ごしたことがあると聞いたことが……もしかしたら……。
ルイズが考えごとをしていると、興味深そうにワルドが覗き込んできた。
「どうしたんだい? ああ、心配なんだね。無事にアルビオンのウェールズ皇太子から、姫殿下の手紙を取り戻せるのかどうか」
「そう、そうね……心配だわ」
ルイズは可愛らしい眉をへの字に曲げる。
「大丈夫だよ。きっとうまくいく。なにせ、僕がついているんだから」
「ふふ、そうね。あなたは昔から頼もしかったから。それで、話ってこのこと?」
ルイズから顔を離したワ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ