暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第44話 シリカの受難
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「さて……ここからが冒険開始だな。」
キリトは街道を離れ、フィールドに出て一呼吸置いた。その先に広がっている広大なフィールドの先に 今回の目的地、そして目的のモノがあるのだから。
「ああ……。その前に必要な事をしておこう」
リュウキもそう言うと、シリカの方を向いた。
「今のシリカの装備ならば……ここのモンスターを倒せない事は無い。それに、思いたくないがやられる事もないだろう。だが……」
リュウキの表情が少し険しくなる。
「どんな状況でも 圏外では 不測の事態と言うものは、少なからず発生する。だからこれを」
リュウキは、シリカに手渡した。手渡したそれは、転移結晶。
水色の鮮やかなクリスタルだ。
「これは……?」
シリカは少し不安そうな表情で聞いていた。
そのアイテムを知らないわけはない、何度も何度も命を救われたアイテムだから。だからこそ、それを渡す意味が解らなかった。不安だったのだ。
「……フィールドでは、何が起きるかわからない。だから、もし予想外の事態が起きて、オレかリュウキが離脱しろって言ったら必ずその結晶で何処の町でも良いから跳ぶんだ。オレとリュウキの事は気にしなくて良いから」
キリトが答える。リュウキも無言で頷いた。
「で……でもっ……あたし……」
恩人である2人を……『見捨てろ』と、そう言われているんだ。
沢山……沢山貰ってるのに……、なのに。
「大丈夫。オレ達なら大丈夫だ」
キリトはシリカの頭を撫でた。震えているのが判ったから、安心できるように。
「だから、約束してくれ。……オレは」
キリトは……少し辛そうな表情を作る。
「オレは、一度パーティを壊滅に……壊滅にしかけたんだ。二度と同じ間違いは繰り返したくないんだ」
「あっ………」
シリカは……なぜ、キリトが時折見せるあの表情をするのか、この時判った。
悲しみと後悔、どういえばいいだろうか、 そう……、負の感情が全面的に表情に現れていた。それをキリトは見せていた感じがした。
その根源が……その出来事だったんだ。それを知ったシリカは、もう頷くしかなかった。
「……オレも傍にいるから。だから 安心しろ」
そんな俯きがちだった、シリカを少し笑顔に変えさせたのが……リュウキの言葉。そして、キリトの笑顔だ。先ほどの表情は既に息を潜め、笑顔を作ってくれていた。
自分に心配をかけまいとして……、その気持ちは凄く伝わるから。
「さぁ、行こうか」
キリトが前衛を務めてくれて。
「……はいっ!」
シリカもこの時には、笑顔に戻す事が出来た。
「……ああ」
そして、シリカを挟むように後衛にリュウキがいる配
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