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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第43話 其々の想い
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たのだ。だから、元の表情に戻ってくれた事に、心底安心したのだ。

「……悪い。空気を悪くしたな」

 リュウキはシリカにそう言っていた。

「いえっ!リュウキさん、元気になってくれて嬉しいですっ!」

 彼女の素直な気持ち、それも凄く嬉しい。

「そうか…… 本当にありがとうな」

 だから、シリカに、礼を言っていた。言葉を考えるよりも早く。

「いえ……っ お礼を言いたいのはあたしの方ですから……っ!」

 シリカはややオーバーアクションを取りながら、慌てていた。ここまで、礼を言われるとは思ってなかった様で、照れてしまっていた。そんなオーバーなリアクションの仕草をする理由がわからないリュウキはただ首を傾げるだけで、それを見たキリトも自然と笑みに包まれる。

「それは……笑うところなのか?」

 リュウキは、その事はどうしてもわからないようだ。笑っているキリトにリュウキは聞いていた。

「あっ……は、はい!!  そうですよね? キリトさんっ!」

 シリカは、キリトに同意を求めていた。ひょっとしたら……今見てみたいものが、リュウキの笑顔も見れるかもしれないから。

「ああ、そうだな。笑う所だ」

 キリトはリュウキを見て、そういった。キリトも、シリカと同じような気持ちだったようだ

「……そうか」

 リュウキの表情が徐々に変化していった。それは……歳相応、とまではいかないが。
 今までで、一番の笑顔だった。

「わぁ……!」

 シリカはその表情を見れて、嬉しいのと、恥ずかしいのでいっぱいになったようだ。それだけ魅力的な笑顔だったから。まるで花開くかの様な……。

「ん??」

 リュウキは戸惑う。
 笑う所だと言っていたから、笑うのはわかる。だが、判らない事もあった。

「どうした? 顔が赤いぞ?」

 それがわからないのだ。熱でもあるのか?とも思えたが、ここは仮想空間。
流石にそう言う現象は実装されていないのだ。

「ひえっ……! な、なんでもないですよっ」

 シリカは、必死に顔を戻そうと努力?を。そして、両手を顔の前でブンブン振っていた。

「ははは、2人とも そろそろフィールドにでるぞ。」

 少し前で微笑ましそうに見ていたキリトは2人にそう告げる。とりあえず、フィールドではもう少し緊張感が欲しいところだから。

「ああ、そうか」

 リュウキは直ぐにスイッチを入れたが。

「は……はいっ!」
 
 シリカは中々そうはいかないようだった。 

 だけど、足をフィールドに踏み入れながら、何とか戻す事が出来たのだった。


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