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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第43話 其々の想い
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からコンピューター関係の仕事をしていた。コンピューターと共に育ってきた。と言っても過言じゃない程にだ。……ただその過程で技術だけが、備わってきたんだ。……プログラミング技術。それが中でも一線を凌駕するようになってな。色々な仕事をしてきたよ。……何年も何年も。だからかな?はっきりわからないが、多分。お前達が不思議がっている力。ここでも発揮されているんだ。デジタルコードの解析……だな。所詮は仮想空間と言ってもデジタルだから」

 リュウキの言葉。キリトは、以前にも聴いたことがあった。
 自身の能力、この世界での力。他のプレイヤーにはない能力は、10年以上の歳月を経て身につけたとも言っていた。
 そして、製作側の人間である事も言っていた。キリトの中で リュウキの事、これまでに判っていた事が 全て繋がってきた。

 シリカにはまだよくわかってなかったから、話に集中をしていた。

「まあ……、ただ 普通の仕事ばかりしていれば良かったんだけどな……。つい数年前の事だ。結構……不味い仕事をすることになってた。結構踏み込んだ所までの仕事を、な……」

 リュウキの表情は一気に強張った。

「オレには肉親はいないが、信頼できる人はいたんだ。同じ家に住んで……、色々と世話をやいてくれる人が。仕事については、サポートしてくれるくらいで、そこまで踏み込んだ話はしなかった。オレ自身もオレの力なら……サポートなんていらない。何でも出来るって粋がってたよ」

 言い終えると同時にリュウキの顔が、更に歪んだ。

「そして、オレは失敗した。致命的なミスを犯した。そのせいで………」

 リュウキは、そこから先の話は……口を噤んでいた。これ以上は、思い出したくない事なのだろう。そして話をしたくない事だと。

「色々とあった。だけど……こんなオレを支えてくれたのが、その一緒に暮らしている《大切な人》……だ。オレにとって親も同然の人。その人が色々教えてくれたんだ。その中に、『女性は大切にしろ、守るものだ』と言うのも言っていた。……正直 オレにそんな場面に遭遇する機会はあまり無いと思うとも言われたが……。まあ、そんな場面があったみたいなんでな。だから、きっと教えを守っているだけみたいだ」

 リュウキは軽く笑うと、2人の方を見た。

「他人のことは本当に言えない。オレだって、同じだ。オレは本心からシリカを助けたい……と思っていないのかもしれないから。……だから、礼を言う必要は無い。キリトが言うように目的とかぶらないわけでもない……オレにとっては、『目的と教え』 多分、それだけなのかもしれないな」

 次には笑みが消えて少し寂しそうにしていた。
 さっき、キリトを励ますように言っていた姿が……もう見る影も無いと思う。

「そんな………」
 

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