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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第43話 其々の想い
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筈だけどね。でも そのせいかな……どうしても俺の方から距離を作っちゃってさ。顔を合わすの……避けていた」
嘆息……微かにだが、キリトから伝わってきた。懊悩を抱えている、と思っていたから。
「……それに 祖父が厳しい人でね。オレと妹は、オレが8歳の時に強制的に近所の剣道長に通わされたんだけど、オレはどうにも馴染めなくて2年で止めちゃったんだ。じいさんにそりゃあ殴られて……。そしたら妹が大泣きしながら『自分が2人分頑張るから叩かないで』 って俺を庇ってさ。オレはそれからコンピューターにどっぷりに なっちゃったんだけど、本当に妹は剣道打ち込んで、祖父が亡くなるちょっと前には 全国で良いトコまでいくようになっていた。……きっと、じいさんも満足だっただろうな……。だから、オレはずっと彼女に引け目を感じていた。本当はあいつにも他にやりたい事があったんじゃないか、俺を恨んでいるんじゃないかって。そう思うとつい余計に避けちゃって……そのまま、
SAO
(
ここ
)
へ来てしまったんだ」
キリトは言葉を止めると、そっとシリカの顔を見下ろした。
「だから、君を助けたくなったのは、俺の勝手な自己満足なのかもしれない。妹への罪滅ぼしをしている気になっているのかもしれないな。……ごめんな」
シリカは、一人っ子だった。
だから、キリトの言う事は完全に理解できなかったが、何故だろうか? シリカにはキリトの妹の気持ちはわかる気がしたんだ。
「……妹さん、キリトさんを恨んでなんかいなかった、と想います。何でも好きじゃないのに、頑張れる事なんかありませんよ。きっと、剣道、ほんとに好きなんですよ。好きに、なったんだと思いますよ!」
一生懸命言葉を捜しながらシリカがそう答えた。言葉を探しはしたけれど、これは決して嘘偽りのない本心だ。
「その意見にはオレも同意だ……」
そして、 キリトの話を黙って聞いていたリュウキも答えていた。
「とは言っても、オレはよく知らないし、経験が特段ある訳じゃない、が キリトも2年間はやったんだろう? ……そんなに甘いものなのか? 剣道というのは。……偉そうに言うつもりは無いが、浮ついた理由で打ち込んだとしても、そんなに《上》に上がれる様な 安いものは無いと思える。それはどんなジャンルでもそうだ。……だから、スポーツにしても、なんにしてもな。」
リュウキ自身はシリカのように言葉を選んだりはしてない。本当の素の気持ちを答えただけだった。
だから、彼にはあまり裏表と言うモノが感じられないのだ。そこが良い所でもある、とキリトは思っていた。そして、シリカの言葉にも、とても感謝をした。
「ははは……。なんだか、オレばかり慰められてばかりだな。……そうかな。そうだと良いな」
シリカはリュウキの顔
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